第二章
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なんてね」
またうどんを褒める。
「思いもしなかったよ。これなら何杯でも食べられるよ」
「何杯もなのね」
「そうだよ。うどんがこんなに美味しいなんて」
うどんを褒める言葉が続く。
「思わなかったよ。本当にね」
「美味しいのは確かね」
これはワンダも認めるところだった。
「レシピとかも調べてみたくなったわ」
「そうだね。けれど今は」
「お店を出るのね」
「日本では食べたらすぐに出るんだったよね」
「そうよ」
こうアレンに対して答えた。
「イタリアやスペインとは違ってね。大体そうよ」
「それじゃあ」
その言葉を受けて立ち上がった。
「行こう」
「わかったわ。ただ」
「ただ。どうしたの?」
「お金を払ってからね」
このことは忘れるわけにはいかなかった。夫にもそれを言う。
「それからでいいわね」
「ああ、そうだったね」
実はそのことはかなり忘れてしまっていたアレンであった。
「それはね」
「忘れたら日本の警察は厳しいわよ」
二人も日本の警察については知っていた。その厳しさも。
「覚悟が必要な位ね」
「別にそれは厳しくなくてもいいのに」
「そういうわけにはいかないわ。それじゃあ」
「うん」
それでも妻の言葉に頷く。
「お金を払ってね。それからね」
「わかったよ。そういうことでね」
こうしてお勘定を払って店を出た。だがこれがはじまりとなって彼は日本にいる間は朝昼晩全てうどんであった。とにかくうどんばかりを食べていた。
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