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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第395話】
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許さず、更に耳を引っ張る篠ノ之。


「お前が来ないと私が先生に怒られるんだ! 行くぞ!」

「わ、わかったって! てかヒルトも――」

「アイツは私の管轄外だ! アイツは妹が探している、私はあくまでもお前を呼びに来たのだ! 行くぞ!」


 そう言って耳を引っ張り、一夏を連れ去る篠ノ之。

 ……よくあれだけやって嫌われないと思うよな。

 さて、美冬か美春のどちらかが探してるらしいが……下手に動くよりはここに居た方がいいかもしれない。

 改めてアリーナを見ると、華麗で可憐なチアリーディングのダンスが始まっていた。

 女子大生のチアリーディング部なのだろう、華麗に空を舞うその姿に、男性客から歓声が巻き起こっていた。

 その間に売店等で食事を買う人も居るだろう、サイドメニューにサンドイッチやホットドッグ、焼きそば等沢山売られている。

 その分、心無い客はゴミ箱に捨てずにその辺に捨てたりする奴もいるだろうが――。


「お兄ちゃん、ここに居たんだ? 後は織斑くんだけど……」


 入ってきた美冬は、少し呼吸が乱れていた――走って探していたのだろうか?


「一夏ならさっき篠ノ之に連れ戻されたぞ?」

「え? 篠ノ之さんここに来たの? それなら連絡くれても良かったのに……先生には見つけたら相互連絡をとって直ぐに集まるようにって言われてたのに……もう」


 腕組みして複雑な表情を浮かべた美冬は、俺の隣に移動すると。


「お兄ちゃん、緊張してない?」

「ん? 特に今の所は平気かな?」


「そっか。 美冬はちょっとだけ緊張かな? ほら」


 そう言って少し震える手を見せてきた美冬。

 そんな美冬を、俺は抱き寄せる。

 驚いて見上げるが、直ぐに腰に腕を回して身を預けてきた。


「少しは落ち着いたか?」

「……うん。 えへへ……お兄ちゃん」


 嬉しそうに胸に顔を埋める美冬。

 そんな美冬の髪を撫でつつ――。


「まあレースまでは時間があるからな、だが……呼ばれてるならそろそろ戻らないと」

「そうだね。 ……レースではライバルだけど、危ないときはこっそり助けるからね、お兄ちゃん?」


 ニコッと笑顔になると、俺から離れ、腕を絡ませてその腕を引くと美冬は。


「じゃあ、いこっ? 皆も待ってるし、そろそろ二年生のレースも始まるしね?」

「だな」


 短くそう返事をすると、俺は美冬に連れられてその場を後にし、通路を進んでいく。

 関係者以外立ち入り禁止故に、アリーナスタッフや警備員達としかすれ違わない。

 ふと、アリーナのコースを見ると何やら開閉式の地面が見え、そこが開くと
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