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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百二十八話 新秩序
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だ。議会も嫌とは言わんさ」
ラウドとボローンの遣り取りに皆が笑い声を上げた。外交委員会も通商委員会もこれからは何かとスポットライトを浴びるポストだ、新設のポストに抜擢される可能性が出てきたとなれば議員達も嬉しいだろう。
「問題は法案の成立よりも委員長の人選と委員会の立ち上げだな」
「庁舎は大丈夫なのかな?」
「外交委員会と通商委員会は合同庁舎になる。出来上がるのには三年はかかるだろうな。それまでは外交委員会は国防委員会、通商委員会は財政委員会、経済開発委員会の所で下宿生活になる」
マクワイヤーとラウドの問いにターレルが答えた。
「人選は? 委員長もそうだが委員会のメンバー、職員は?」
「シャロン委員長、主にだが外交委員会は国防委員会、軍から人を出す事になるだろう。通商委員会は財政委員会、経済開発委員会からだ。だから一緒にさせた」
ターレルが答えると皆が頷いた。
「となると後は委員長の人選か。難しいな、特に外交委員長だ。帝国との交渉役だからな、硬軟を使い分けられる人物でないといかん。それに帝国の事情に詳しい事が必要だが……」
ボローンの首を傾げながらの呟きに彼方此方から唸り声が起きた。気持ちは分かる、帝国の内情に詳しい人物など皆無に等しい。
「適任は諮問委員長だが……」
「それは無理だよ、シャロン委員長。諮問委員長という良く分からないシロモノでも結構反発が出た。外交委員長などに就任したら亡命者だから帝国に甘いと必ず非難が出るぞ」
私が反対すると誰かが“そうだな”と相槌を打った。皆も頷いている。シャロン自身も頷いているから本人も難しいと思っていたのだろう。
「委員長の人選についてはトリューニヒト議長が戻ってからでも良いだろう。議長に意中の人が居るかもしれん。我々が先走る事は無い」
ターレルの提案に皆が頷いた。まあ体の良い先送りだな。しかし適任者が直ぐには見つかりそうにないのも事実だ。
宇宙歴 796年 6月 25日 第一艦隊旗艦 アエネアース マルコム・ワイドボーン
艦橋にスーツ姿の男が入って来た、ヴァレンシュタインだ。その事に気付いた人間が慌てて姿勢を正してヴァレンシュタインを迎えた。奴は“気にせず仕事をしてください”と言って俺の方に向かってきた。
「如何した?」
「偶にはワイドボーン提督と話をしてはどうかとミハマ大佐に言われました」
思わず失笑が漏れた。ヴァレンシュタインは憮然としている。周囲の人間に少し席を外してくれと頼んだ。ヴァレンシュタインが手近な席に腰を下ろした。
イゼルローン要塞に来る時にはヴァレンシュタインは第三艦隊に乗っていた。だがヤンと激しく口論した。そのためミハマ大佐とグリーンヒル少佐が心配して俺の所に相談に来た。というよりも帰りはヴァレン
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