暁 〜小説投稿サイト〜
dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第20話「パトリック・キリシマペア 慟哭」
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「ゴフッ、ゴフッ……ハァ、どうだよキリシマ………俺だってなぁ、やる時は、やる奴なんだよ……」
口から大量の血を吐き出している危険な状態にも関わらず、パトリックは笑顔でキリシマに自慢する。
「………………あぁ、お前の手柄だ。よくやった」
「そうか……ハハハッ、悪いな……キリシマ……お前の手柄、横取りしちまった……ハハッ」
顔色が明らかに悪い。血の気が引いている。会話をしている間にも、出血は続いている。
それでもパトリックは笑顔を崩さない。
「………………パトリック………死ぬなよ」
そう言うと、キリシマはパトリックの傷口を押さえながら、パトリックの上着から携帯電話を拝借した。
キリシマは携帯電話を持っていないため、パトリックの携帯電話を借りるしかない。
突然、パトリックに携帯電話を持つ手を掴まれた。
「無駄だ………救急車とか、仲間が来るのを……待ってられるほど、意識、保ってられねぇ……」
「…………黙れ。帰りを待ちわびている奴らがいるんだ」
「あぁ………そうだった」
「キリシマ………………」
「俺、死にたくねぇよ…………ッ」
今までの笑顔が一切消え、涙を流し悲痛な表情を浮かべた。
「………………死にたくないと思うなら、しっかり意識を保て。いいな?」
キリシマの焦りはより大きくなり、もう一度携帯電話を手に取る。
「ごめんな…………ありがとう………皆………」
涙を流すその眼から、光が消えた。
「……………………………………………………………………」
「………………っあああぁああぁああああああぁあああ!!!」
キリシマは空を向き、両手でパトリックを抱えて叫ぶ。
誰にも知られることのない涙を流して。
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