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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
蒼き魔女の迷宮篇
22.蒼き魔女の迷宮
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のだ。

「あとのことは、任せましたよ、彩斗」

 さっきとは、打って変わって彼女は真剣な表情を浮かべる。

「ああ、任せとけ!」

 監獄結界の方へと向き直り、右手を突き出した。
 魔力は先ほどのラ・フォリアの血で若干だけ回復は出来た。

「──降臨しろ、“真実を語る梟(アテーネ・オウル)”!」

 神々しい翼を持つ梟が顕現する。

「行くぞ、逢崎!」

 友妃は、先ほどのように不機嫌な表情を浮かべるがすぐにいつもの笑顔に戻る。
 梟の背中に乗り、黄金の翼を羽ばたかせる。

「友妃、緒河彩斗! 雪菜と暁古城を頼むわよ」

「任せて、紗矢華! あとで紗矢華も来てよね!」

 まだ事件は終わってない。
 最後の事件を終わらせるために黄金の翼が闇夜を切り裂き、監獄結界へと目指す。

(──待ってろよ、姫柊、古城、優麻!)




 青騎士を背にする吸血鬼の身体を奪った優麻と青いドレスを着た少女、雪菜が銀の槍を構えていた。
 古城の頭は、もうパンク寸前だ。
 那月が監獄結界の鍵だとか、今までいた那月は偽物だったとか、もうわけがわからない。

「──暁先輩の肉体、回収させてもらいます!」

「甘いな……」

 優麻が失笑しながら、立ち尽くす古城へと一瞬、視線を向ける。

「その槍の力なら、ボクの本来の身体を攻撃すれば、簡単にケリをつけられるのに……それをしないのは、古城に感化されたのか。やっぱりきみも古城にたぶらかされた口かな?」

「違います!」

 雪菜が妙にムキになって言い返す。

「げ、現状では最善だと判断しただけです! それに──」

「っ!?」

 言い終える前に、聖堂の床を蹴って雪菜が跳んだ。彼女の槍が、優麻の胸元へと突きこまれる。

「──どちらも難易度は大差ありませんし」

「“(ル・ブルー)”!」

 優麻が”守護者”に防御を命じた。しかし青騎士の分厚い装甲を、雪菜の槍は斬り裂いた。
 優麻は舌打ちして空間を歪めた。

「無駄です!」

 雪菜は、優麻の行動を予知していたように出現地点を斬った。剣巫の未来視だ。

「その肉体を操っている限り、あなたの“守護者”は、魔力の大半を空間接続に使わなければなりません。戦闘力はほとんど残されていないはず」

「たしかに……今の状況で獅子王機関の剣巫を倒すのは難しいだろうね」

 優麻は自分の不利を認めた。

「だけど、忘れていないか。ボクはキミと馬鹿正直にやり合う必要なんてないってこと──!」

「しまっ──!?」

 優麻の狙いに気づいて、雪菜が表情を凍らせる。
 青騎士が攻撃魔術を起動する。優麻の狙いは、雪菜でも那月でもなかった。眠り続
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