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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
蒼き魔女の迷宮篇
22.蒼き魔女の迷宮
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「それでは、彩斗。少しあなたの力を貸していただきます」
「え?」
ラ・フォリアは彩斗が意図を確認する前に自らの唇を彩斗の唇に押し当てた。
唇に柔らかな感触とともに口内に広がる鉄の味。犬歯の疼きと喉の渇き、視界が真紅に染まる。
彩斗はラ・フォリアを突き飛ばすようにして離れる。
「なにすんだよ、ラ・フォリア!?」
吸血衝動の昂るのを抑え込みながら告げる。
「いえ、魔力を補給させようと思いまして」
天使のような笑顔をこちらへ振りまく。
彩斗はやはり、ラ・フォリアが少しだけ苦手だ。底が掴めず、なにを考えているかがわからない。
「それでは、彩斗。任せましたよ」
「はぁー、了解しました」
迫り来る触手を睨みつけて彩斗は右腕を突き出した。
鮮血が迸り、膨大な魔力が出現する。
「──来い、“
戦火の獅子
(
アレス・レグルス
)
”!」
“
戦火の獅子
(
アレス・レグルス
)
”は、出現するとともに彩斗の身体へと激突し、爆発的な魔力を吹き出す。
爆発的な魔力は辺りの触手を吹き飛ばす。
いや、この場合は、消滅させたと言う方が妥当だ。
高次元にすら、干渉する鮮血の獅子の魔力は容易く触手をこの次元から消滅させたのだ。
そして出現したのは、“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”が従える眷獣を武器へと変える能力。
“
戦火の獅子
(
アレス・レグルス
)
”はその姿を万物を狩りとる鮮血を思わせる鉤爪へと姿を変えた。
「お見事です、彩斗。あとは、わたしと紗矢華に任せて、彩斗は、彼女とあの獣を」
ラ・フォリアは黄金の拳銃を構えて前に出る。
「任せますよ、紗矢華。それまでは前衛をわたくしが」
「はい」
紗矢華が剣を下ろしたまま後退する。
「それじゃあ、こっちも行くか、友妃」
「うん……そうだね」
あからさまに不機嫌そうな顔をこちらに向ける友妃だった。
「なんでそんなに不機嫌なんだよ?」
友妃はそっぽを向いて不機嫌に答える。
「だって、彩斗君……王女様とキスしてた」
「い、いや、あれは俺がしたわけじゃねぇだろ! ラ・フォリアが勝手に……」
「それでも、してた」
友妃はこちらに向いて言ってくる。
「ボクは、彩斗君の監視役だからああいうことはボク以外の人にしちゃダメだからね!」
「は、はい……」
理不尽に友妃に怒られる彩斗。
「それなら、早くあの獣を倒して、雪菜たちを助けに行こ!」
銀の刃を空中に浮かぶ、漆黒の獣へと向ける。
「あ、ああ……」
今だに“
真実を語る梟
(
アテーネ・オウル
)
”と激しい戦いを繰り広げている漆黒の獣へと視線を向ける。
同時に二体の眷獣
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