§57 使徒と巫女
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――見ちゃダメだ見ちゃダメだ!!
凝視していることがバレたら変態の烙印を押される。まして女性はそういう視線に鋭いという。だが、変態扱いされる、というリスクを冒してすら見る価値がある。肌は透き通るように白く、美しい。男たちが写真を撮り始めるのも納得だ。マナーを守れと言いたい気持ちと、男ならそうだよな、と納得する気持ちがせめぎ合う。
「まずは止めますか」
歩いてくる。目が離せない。淡いピンクのワンピースとスカート、という服装でありながら、肩にぶら下げる黒くて分厚い本が印象的だ。こんなもの、彼女に絶対似合わない。
「お二人とも……」
「ひゃい!」
「何よ!」
そんな阿呆な考えをしている内に謎の美少女は歩道橋の上の電波さん達に話しかけに行った。彼女はスカートだ。頑張れば中身が見える……?
「……!! ダメダメ。帰る帰る帰る!」
畜生に落ちるワケにはいかんのだ。寸でのところで思いとどまった少年は、未練タラタラに帰宅する。
――――その日の出来事を思い出すことは無かった。この日、この場所、この時刻。全ての人の記憶からこの美少女の記憶はきれいさっぱり抜け落ちた。誰も知ることのない、秘密の記憶。美少女の容姿も声も、思い出せる人はいない。彼はSNSに記憶の無い投稿をしていたことを疑問に思ったが、それも寝ぼけたからだと誤解して――そのまま忘れた。
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