最速の魔女
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「これで10秒」
「やっぱり、強いよ」
圭も着々と強くなってるけどね。
『こちら、坂本。根岸大尉、直陸せよ』
坂本少佐は私になんの恨みがあるの?私はただ、ただ単に、もう戦いたくないだけなのに。
「了解しました」
まさかなにか言われるの?私のこと?それとも上層部のこと?流石にバレるのは早すぎる気がするけど。
そう思いながらも私は着陸を行った。
「根岸理恵。戻りました」
「大崎圭。戻りました」
圭も戻って来たんだ。
「大崎少尉。自室にて待機しているように」
「わかった」
圭は先に戻しておかないと。今から何を言われるのかわからないしね。
「単刀直入に聞く。今のお前は何が目的で此処にいる?」
「さ、坂本さん。何をいってるんですか?」
普通に考えれば、サポートしてくれた彼女の言う通りなんだけど、私を疑うのもわかる気がする。
「どうなんだ、根岸少佐」
「はやぶさ?」
そのことも知っているんだ。
「第119航空隊。知っているよね」
〜side芳佳〜
「第119航空隊。知っているよね」
第119航空隊って、たしか前の欧州防衛戦で魔女を半分失って、隊長は戦意を喪失。部隊の再編成は無理って新聞に書いてあった。
「私は第119航空隊の隊長だった」
「119航空隊の隊長だったんですか!」
でも第119航空隊の隊長の階級は少佐だったと聞いたことがある。でも根岸さんの階級は大尉。
「私は仲間を、大切な友達をたくさん失った。もうこれ以上、失うのは嫌なの」
根岸さん。そんなに仲間のことを思っているんだ。
「根岸。お前の本心はそれだけなのか?」
「どういうことですか?」
「お前は仲間を失ったことで、他の仲間を売るようなやつになってしまったのか?」
「坂本さん。いくらなんでも言い過ぎなんじゃ」
仲間を売るなんて。そんなことしないでしょ。だって根岸さんは仲間を失う悲しみを知っているはずだもん。
「どこまで知っているのかは分からないけど深読みは禁物だよ、坂本少佐」
「えっ!」
今の根岸さん、なんかすごい顔してた。
「それでは任務がありますので失礼します」
「待て!話は終わってない!」
「これ以上、関わるなって言ったの、わからなかった?」
振り返った根岸さんの手の中には拳銃が握られています。銃口は坂本さんの頭を狙っていた。
「やめてください!」
こんなの間違ってる。挑発を始めた坂本さんも悪いけど、拳銃を取り出した根岸さんも悪い。
「仲間同士で争うなんて間違ってます」
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