SAO編
第二章 曇天の霹靂
7.打ち砕かれる自信
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飛ばした。
「が、ぁ……!?」
強烈な違和感が俺を襲う。
気付けばHPバーは一割を切り、危険域にまで達していた。
――このままでは、まずい……。
打開策を練りたいところだが、PoHがその隙を与えてくれない。
短剣カテゴリの特性か、PoHの技術に寄るものか、攻撃の繋ぎが早くてストレージから予備の槍を取り出すことも出来ない。
更に、恐らくはソードスキルの効果によるものだろう、剣の間合いが視認しているのとは微妙に違う。紙一重で躱したつもりでも実際にはダメージを食らっている。そのためにより大きな動作で回避する必要があるから早め早めに回避行動を取らなければいけない。
相手の動きと回避に思考を取られ、ゆえに打開策を考える時間もとれない。
そのうえで、PoHのこの指摘。
俺の胸にそれは強烈に突き刺さった。
――俺が……弱い?
確かにソードスキルは苦手としている。そのことで今まで苦に思ったことはあるにはあるが、足りない速度は技術で、足りない威力は手数で補ってきた。
武器や防具は当然ルネリーたちを優先している。ゆえに俺の装備のほとんどが店売りだが、低い攻撃力防御力も、今まで鍛えた技術をもって補ってきた。
自身の身体能力だけに寄り掛かることなどせずに、技術によってその力を最大限にまで引き上げる。そう、志してきた。
――いや、待て。
もしかしてそれは…………《技術だけに頼っている》状態だった、ということか?
PoHの指摘に、友人の二木の言葉を思い出した。
『RPGって結局は能力がモノを言うんだよね。テールズとかのコマンド系でもプレイヤースキル低くてもレベルが高けりゃゴリ押し出来るし…………まあ、プレイヤースキルで無双した方が爽快感スゲーけどな!』
レベルの重要性は理解していたつもりだ。
だからこそ、階層数+10レベルの安全マージンはしっかりと守っているし、レベル上げも積極的にしていた。
だが、PoHは言った。レベルが低いと。
装備の良し悪しを鑑みても、あのダメージ量の少なさは俺とこの男とのレベル差が一つ二つとは思えない。もしかしたら5レベル、下手をしたら10レベルは差があるかもしれない。
ボス戦を幾度も潜り抜けた攻略組でもある俺よりそれほどレベルが高いとは思えないが、結果がそれを物語っている。
恐らく、PoHの装備もかなりの高性能なものを揃えているのだろう。槍を一撃で破壊したことや、俺へのダメージ量、更に腕の切断。同レベル帯の者の仕業とは思えない。
――俺は、やはり弱いのか?
だが待て。おかしい。
俺が今考えたことは、PoHが言ったことは、《何に対しての弱い》なんだ?
モンスターでは
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