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SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第二章  曇天の霹靂
7.打ち砕かれる自信
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の男があの三人に危害を及ぼす可能性があるのなら……俺はそれを排除する。

 ――彼女たちを守るため。

 そのために、俺はこの男を、PoHを…………

「……殺す」

来いよ(Come on)

 PoHが右手で外套に隠れた腰の辺りから鉈のような幅広の短刀を取り出し、左手は俺を誘うかのように前に掲げた。

 ――武器が昨日と違う?

 昨日一昨日は確か、俺と同じく《両手用長槍》を装備していたはずだ。
 あの短刀が奴本来の武器という訳か?
 しかし、それはそれで構わない。用心に越したことは無いが、これで間合いの差は歴然となった。

 ――例え突進系ソードスキルを使われても、間合いには入らせない。

 カウントダウンが十秒を切った。
 油断はしない。この戦いの方針は、先の先を以って反撃を許さずに決着を付ける。
 準備として摺り足にてジリジリと相手との距離を調節する。
 全速で距離を詰める場合、己の歩幅と歩数に合わせた距離を取るのは常道。
 一つだけ不安要素を挙げるとするのなら、《完全決着モード》での決闘を申し込んできた彼奴には、自分の勝利を確信するだけの何かを確信しているということになるのだが……いや、解らないことを考えていても動きが鈍くなる。いつも通り、俺は冷静を心掛けて対処をするだけだ。

 そう結論を出した瞬間、カウントダウンが0を表示する。
 同時、俺とPoHとの間に【DUEL!!】という文字列が弾けた。

「――――――!!」

 先手必勝。
 前傾の状態で三歩。迅速を以て距離を詰める。
 槍の間合いに入った瞬間にPoHの胸部に向けて刺突を繰り出す。

「……!」

 当然PoHは防御のために反射的に短刀を持つ右手を上げるが、それと同時に俺は穂先を下げて狙いを太ももに変更する。
 急激な攻撃目標の変更。だが相手も即座に反応してくる。
 PoHが短刀を下げたところで更に、俺は柄の中腹を持っていた左手を放し、刺突中の槍の穂先を下げた。

「ッ!?」

 明らかにPoHの戸惑いが感じられた。
 それも当然。このままの状態で槍を突き出せば地面に穂先は地面へ向かっているのだから。俺の攻撃の意図が解らなくなったのだろう。
 しかし俺は、そのまま右手だけで思い切り穂先を地面へと叩き付けた。

「ハァッ!!」

 瞬間、地面へと叩き付けた反動を利用して急速に穂先を跳ね上げる。
 中段、下段、地面と来て、最後の最後で上段へ斬り上げ。刹那の四段変化攻撃。

 ――東雲流 鷹跳(たかはね)

「ヌゥ……!」

 穂先の刃が顔面を滑り、PoHが苦悶の声を漏らした。

 ――この刹那が好機!

 よほど特殊な修練を積んだ猛者でもなければ、顔面に攻撃を受
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