SAO編
第二章 曇天の霹靂
7.打ち砕かれる自信
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「……もう一度問う。ノリダーさんを殺したのは貴方か」
「そうだが?」
即答。
何を言っているのかは解らなかったが、男の態度から肯定と言っていることだけは伝わった。
「……何故、殺したんだ」
出来る限り感情を押し殺して再度PoHに問う。
PoHがノリダーさんに対して何らかの恨みを持っていた、というのならまだその行動について納得は出来ないが理解は出来る。
しかし――。
「殺しやすかったからだが?」
それがどうかしたのかと、さも当然のことにようにのたまうPoH。
眼前の男の声音には罪悪感を全くと言っていいほど感じない。
――理解、出来ない。
何故。どうして嗤っていられる?
俺の常識では測れない回答に思考が乱れる。
理由を。俺の頭を納得させられるだけの理由が欲しい!
「――っ。このSAOでは、本当に人が死ぬということは理解しているのか……!」
「ハッ」
言及する俺の言葉は、吐き捨てるように嗤われた。
「HPが0になったら本当に死ぬ――――そんなこと、一体誰が確かめたんだ?」
「なっ……」
絶句。
「SAOは――遊びだぜ? だったら、システム的にPKが出来る仕様だったのなら……PKして何が悪い?」
「だがそれはっ――」
確かに、この仮想世界で死んだものが現実でも死亡したという事実を確認してはいない。此処では確認することがそもそも出来ない。
しかし、何ヶ月も経って外部からの救助が無いことを考えれば、それが恐らく事実であることは誰だって解るはずだ。
「シュレディンガーの猫。自分がログアウトするまでは本当に死亡しているかは解らない……そうだろうが?」
――なんだそれは。
そんなの、そんなものは……ただの現実逃避ではないか。
現状を理解しようとする気が全く無いようにしか見えない。自分の都合のいい事しか見ようとしていない。
「それに……もし仮に本当に死亡していたとしても、それは俺のせいじゃねぇ」
「?」
どういう意味だ?
「ナーヴギアから発する高出力マイクロウェーブの――《人を殺せるようにナーヴギアを設計した茅場晶彦のせい》……だろうがよぉ?」
「……!?」
PoHは、まるで子供のような無邪気さと残酷さ、そして全てを理解している上であえて自分の欲望を叶えようとする大人のような凶悪さを孕んだ声音で、そう嗤った。
楽しんでいるのだ。この男は、この状況を、《デスゲーム》を心底楽しんでいる。
――危険だ。
この男は危険過ぎる。こんな狂気の思想を持つ者が、閉鎖さ
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