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鋼の魔神と月の光
プロローグ
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ワークのような姿になっている。

「黒鐵・改。こいつなら“イグナイター”でブーストすれば奴を倒せるし、後で君たちを追いかける事も出来る。」

「分かりました。」

「じゃあ、言ってくる。」

そう言って、智春は黒鐵・改の肩に乗ると、出撃した。

『すずか。私たちも・・・』

「うん。」

アリサに言われ、すずかは心を落ち着ける。そして、自分に託された力の名を叫んだ。

「来て、鋼!!」

すると、アリサの姿がかき消えすずかの影が色を変える。何も映さない虚無の色へと。

『闇より暗き融炉より出でし・・・』

アリサが呪文を詠唱し始めた。だが、その声は途中から地の底から響くような低いものへと変化する。

『其は科学の鎚が鍛えし玉鋼』

すると、すずかの影から鋼色の巨大な右腕が現れた。やがて、左腕も出現し、影をこじ開ける。そして、鋼色の魔神の上半身が姿を現した。

「行こう、鋼・・・ううん。アリサちゃん。」

そして、すずかは鋼の手の上に乗ると、共に影の中へと沈んでいった。




黒鐵・改の肩に乗り、“奴”の下へ向かっている智春は一人つぶやいた。

「すまない、すずか、アリサ。君たちには嘘をついた。イグナイターは“魔神相剋者(アスラクライン)”の力をブーストする装置なんかじゃない。暴走させる装置なんだ。“魔力炉式”の黒鐵・改ではどこまでいけるかわからないが、赦してくれ・・・」



続く

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