暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
25弾 ファーストキス
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 混乱状態のアリアは顔どころか全身ゆでダコみたいに真っ赤になって、ブラウスの前を閉じようとした。そして自分の胸に、注射器が突き刺さっていることに気付く。

「ぎゃー!!」

 花の女子高生とは思えない悲鳴を上げ、豪快に注射器を引っこ抜くアリア。

「どういうこと!?ねえミズキ、これどういうこと!?」

「ああ、それな。お前は理子にやられて、俺が、自作の回復薬で――――」

「りこ……理子――――ッ!!」

 服を乱暴に整えると、アリアはベッドの上から左右の拳銃をむしり取った。

 そして、鬼の形相のまま、バランスの悪い足取りで部屋を出て行こうとする。

 ――――まずい。

 あの薬は回復薬であると同時に、興奮剤でもある。

 薬が効きやすい体質なのか、アリアは正気を失っているようだ。

 自分と理子の、戦力の優劣が判断できていない――――!

「待てアリア!まともにやっても、理子には勝てない!」

 俺はドアの前に立ちふさがり、アリアの左右の拳銃を手のひらごと鷲づかみにした。

「そんなの関係ない!は、な、せ!あんたなんか、どっかに隠れてなさい!」

 アリアは俺に両手を握られたまま、牙のような犬歯をむいて喚く。

「静かにしろアリア!これじゃあ理子に――――俺とお前が同じ部屋にいて、チームワークが働いてないことまでバレる!」

「かまわないわ!あたしはどうせ独唱曲(アリア)よ!理子は1人で片付ける!それにだいたい、そもそも、あんたはあたしのことなんか助けに来なくても良かったのよ!」

 俺を睨むアリアのツリ目は、その紅い瞳を激しい興奮に潤ませていた。

「あんた、あたしのこと嫌いなんでしょ!?あんたは言った!青海に行ったとき!ブティックに行く前に!あたし――――覚えてるんだから!」

 それを覚えてるなら理子と遭遇する前にここでした俺との会話も覚えてろよ!割とストーレートに好意を伝えたぞちくしょう!

 そう言いたい気持ちを抑えて、俺は冷静に、思考を巡らせる。

 アニメ声で叫ぶこの口を、塞がなければならない。でも、アリアの銃を押さえるこの両手は絶対に離せない。

 これを離したら、アリアは俺を撃って、すぐさま部屋を出て行ってしまうだろう。

 ――――これを何とかする方法は――――

 ……無くは、ない。

 アリアの弱点を突く、最終手段がある。

 だがそれをやれば、おそらくアリアを傷つけてしまう。

 俺はもう、アリアの傷ついた顔を見たくない。

 でも……でも!

 今はもう、四の五の言ってられない!

 このままだと、理子は真っ直ぐここにやってきてしまう。

 俺たちが言い争っているに気づけば、簡単に始末できると踏
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