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緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
25弾 ファーストキス
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 アリアが――――真後ろに、仰け反る。

 側頭部を斬られた。血が、赤く、紅く、朱く、緋く、ほとばしる。

「あは……あはは……曾お爺様。108年の歳月は、こうも子孫に差を作っちゃうもんなんだね。勝負にならない。コイツ、パートナーどころか、自分の力さえ使えてない!勝てる!勝てるよ!理子は今日、理子になれる!あは、あはは、あははははは!」

 また、狂ったような声音で叫びながら――――

 理子は髪で押しのけるようにして、アリアを突き飛ばした。

 あの髪、よほど怪力なのだろうか。アリアは驚くほど易々と吹っ飛ばされ――――ボロ雑巾みたいに、俺の足元に転がって来た。

「アリア……アリア!」

 顔面を真紅に染める血に瞼をきつく閉ざしながらも――――アリアは、拳銃を放さずにいた。

 理子は――――テールで握ったナイフについた血を、ぺろり。美味そうに、舐める。

 ありえない……

 あいつは化け物だ。

 とにかくアリアを連れて、逃げなければ!

 高笑いしながらの理子の声が、背中にかけられる。

 きゃははははっ!――――ねえねえ、この狭い飛行機の中、どこへ行こうっていうのー?



 久々のお姫様抱っこで抱えたアリアは――――悲しいほどに、軽かった。

 人間というものは、強張っていたり暴れてたりすると実際より重く感じられる。

 アリアは意識が途切れつつあるのか、脱力しきっているのだ。

 さっきのスィートルームに逃げ込んだ俺は、アリアをベッドに横たわらせた。

 血まみれの顔面を、まずは備え付けのタオルで拭ってやる。

「う……っ」

 うめくアリアのこめかみの上、髪の中には、深い傷がついていた。

 まずい――――側頭動脈をやられてる。

 頸動脈ほどの急所じゃないが、すぐに血を止めなければ――――!

「しっかりしろ……傷は浅い!」

 武偵手帳に挟んであった止血テープで、アリアの傷をとにかく塞ぐ。だが、止血テープとはワセリンで強引に血を止めるだけの、その場しのぎにしかならないモノだ。

 それが分かっているのだろう。アリアは、俺の嘘を力なく笑って流していた。

「アリア!」

 俺は半ばキレ気味に、白衣の中に手を突っ込んだ。内側に大量に増設されていたポケット中から、1つの薬品を取り出す。

「応急的な回復薬だ!アレルギーは無いな!?」

「…………な……い……」

 俺が作ったこの傷薬は、一時的に傷の治りを爆発的に早め、なおかつ気付け薬と鎮痛剤の役割も果たしている。まさにゲームに出てくるみたいな、回復薬だ。

「これは心臓に直接打つタイプの薬だ。いいか、これは必要悪なんだからな」

 前置きすると、俺はアリア
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