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緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
25弾 ファーストキス
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発まで入る。

 これが2丁あるから、最大16発。互角だ。

 だが――――

「アリア。2丁拳銃が自分だけだと思っちゃダメだよ?」

 お互いに再装填(リロード)が終わると、理子はカクテルグラスを投げ捨て、その手で――――

 もう一丁、ワルサ―P99をスカートから取り出した。

「!」

 アリアが驚いて一瞬動きを止めた。そしてその隙を狙って理子が再びアリアに襲い掛かる。

「くッ……このっ!」

「あはっ、あはははっ!」

 アリアと理子は至近距離から、拳銃でお互いを撃とうとせめぎ合う。

 武偵法9条。

 武偵は如何なる状況に於いても、その武偵活動中に人を殺害してはならない。

 その法を遵守するため、アリアは理子の頭部を狙えない。

 そして理子も――――合わせているつもりか、アリアの頭部を狙わない。

 まるで格闘技のように、アリアと理子の手が交差する。

 武偵同士の近接拳銃戦は、射撃線を避け、躱し、あるいは相手の腕を自らの腕で弾いての戦いだ。

 バッ!ババッ!

 放たれる銃弾は、お互いの小柄な体を捕らえず壁に、床に、撃ち込まれていく。

「――――はっ!」

 弾切れを起こした次の瞬間、アリアはその両脇で理子の両腕を抱えた。

 2人は抱き合うような姿勢になり、理子の銃撃が止む。

 いいぞ。格闘戦では、アリアの方に分がありそうだ。

「これで――――チェックメイトよ!」

 アリアが理子の腕を抱えたまま足を払って押し倒そうとする、その直前。

双剣双銃(カドラ)――――奇遇よね、アリア」

 理子が、言った。

 突然話し始めた理子に、アリアは足払いを中断してしまう。

「理子とアリアは色んなところが似てる。家系、キュートな姿、それと……2つ名」

「?」

「あたしも同じ名前を持ってるんだよ。『双剣双銃(カドラ)の理子』。でもね、アリア」

 理子以外のすべての動きが、止まる。

 その、ありえない、不気味な光景に。

 無機物さえ、恐れおののいて時が止まる。

 なんだ……あれは!?

「アリアの双剣双銃(カドラ)は本物じゃない。お前はまだ知らない。この力のことを――――!」

 しゅら……しゅるるっ。

 笑う理子の、ツーサイドアップの、テールの片方が――――まるでギリシャ神話のメデューサの髪のように、動いて――――

 シャッ!

 背後に隠していたらしいナイフを握り、アリアに襲い掛かった。

「!」

 一撃目は、驚きながら避けたアリアだったが――――

 ザシュッ!

 反対のテールに握られたもう一本のナイフが、鮮血を飛び散らせた。

「うあっ!」
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