暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
25弾 ファーストキス
[4/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
うと叫ぶが、理子は俺に向かって微笑むと声を出す。

 これは誰にも、特にアリアにだけは聞かれたくなかった。

 バスジャックのあの時、アリアに見せた俺の無様な姿。

 あの時は自分から明かそうとしていたその理由が今、最悪のタイミングで、明かされた。

「――――仲間が一緒にいると、戦えない体質になったんだもんね」



「あの夏。自分のミスでキンジが死んだお前は、それから仲間と共に戦うことが出来なくなった。仲間がいると、不安になって、冷静さを失って、動悸が激しくなり、視野が狭くなり、震えが止まらなくなるようになった。ほら、必死に隠してるつもりみたいだけど、今も震えてる」

「やめろ……やめてくれ」

 震える手を背中の後ろに隠し、俺は言う。

 それでも、理子の口は止まらない。

「今だって立ってるのが精一杯のはずでしょ?アリアの前でかっこつけたいのはわからなくもないけど、我慢は身体の毒だよ?ミーくん」

「やめて……くれ……」

 遂に声も掠れてきた俺を見て、理子が盛大に笑う。俺はそんな理子から目を逸らし、アリアの方に視線を向けようとして――――やめる。

 今の話を聞いたアリアは十中八九、俺に失望しているだろう。この前まではそれを望んでいたはずなのに、今はアリアに失望されてることを知るのが怖い。

 俺がそんな風に固まっていると、不意に――――

「……ッ!」

 アリアが動いた。まるで小さな、獅子のように。

 ばんっ!と床を蹴ったかと思うと、2丁拳銃を構えて襲い掛かる。

「……さっきから聞いてればぐちぐちぐちぐち言って。パートナーへの暴言は、あたしが許さないわ!」

 一気に距離を詰めたアリアは、そのまま近距離で理子に向かって発砲する。

 理子はそれをぎりぎり躱し、後ろに大きく跳んで距離を取る。

 アリアは理子を追撃しようとせず、そのまま自分も後ろに跳ぶ。

 そして俺の方に向かってきて――――

 げしっ!

 頭に踵落としを喰らわせてきた。

「痛っつ!……おいアリア!お前急に何して……!」

「うるさい。男ならそれくらいで文句を言うんじゃない!」

 アリアは俺が今まで見たことが無いほど怒っていた。むしろ激怒していた。

「えっと……アリア、さん?もしかしなくても……怒ってます?」

 アリアのあまりの怒りっぷりに敬語になってしまった。アリアさん迫力マジぱない。

「怒ってるわよ!そりゃ怒るわよ!あんた、あいつにあんだけ言われて悔しくないの!?武偵なら、一回言われたら一発撃ち返しなさい!」

「いや……言葉に銃弾で返したらダメだろ……」

 アリアのあまりに暴走しすぎた考えにツッコミを入れる俺。でも、確かにアリア
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ