月下雷鳴
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
弁当を食べ終わった俺は、ミザールの頭を撫でていると、不意にプレイヤーの一団が入ってきた。たく……色々台無しだな。
「おお、キリト、ライト!暫くだな」
話し掛けてきたのはクライン。いじりやすい人物である。昔は多少世話になったが、この頃は面倒を見るのが多い。そんなクラインがアスナとミザールを見ると固まり、自己紹介し始めた。しかも、あの顔で24とか……。取り合えず殺気立った目で見るとビクッとして口をパクパクさせた。安心しろ、死ぬのは手ぇ出した時だ。
そんなコミュニケーションを取っていると
「キリト君、<軍>よ!」
<軍>が安全エリアに入ってきて、俺達とは反対の方に座り込むと唯一座り込まなかった人物がこちらに近付いてきた。
「私はアインクラッド解放軍所属、コーバッツ中佐だ」
……軍って本当にどんなのなの?
「ライト、元雷鳴騎士団の長だ」
俺がそう言うと、他のメンバーが一斉に吹いていた。良し、後で一発な。
「君らはもうこの先を攻略しているのか?」
「ああ。ボス手前でマッピングしてる」
「うむ。ではそのマップデータを提供して貰いたい」
……一瞬、軍って馬鹿なのと思った。
「な……て……提供しろだと!?」
「クライン、黙れ」
「でもよう!!」
「黙れと言った」
キッと睨み付けるとクラインが一歩下がる。
「勿論、喜んで提供しよう」
俺はトレードウインドウを出し、コーバッツにデータを送信すると、「協力感謝する」と言い、部下を連れて出ていった。
「……大丈夫かよ、あの連中……」
「幾ら何でもぶっつけ本番でボスに挑んだりしないと思うけど……」
「判らんぞ。ああ言う連中は無謀さが取り柄みたいな物だからな」
「……一応、様子だけでも見に行くか?」
キリトの問いに全員が頷いた。
安全エリアから出て三十分。俺達はボス部屋への回廊を進んでいた。
「ひょっとしてもうアイテムで帰っちまったんじゃねぇ?」
「それは捨てきれないが、相手は軍だ。もしかすると……」
その予想は当たりだった。ライトの耳に微かに聞こえたのは悲鳴だった。それを聞いた俺とアスナ、キリトは一斉に大扉まで走り出した。
「バカッ……!」
アスナが悲痛の叫びを上げた。
大扉に着くと、キリトが半身を乗り入れて叫ぶ。
「おい!大丈夫か!!」
俺は中の人数を数える。……二人居ない。死んだか……?
その瞬間、一人が斬馬刀の横腹で薙ぎ払われ、HPを赤い危険域に落とした。
「バカ!!早く転移結晶を使え!!」
俺は叫んだが、男は絶望したような顔で、
「駄目だ……!く、クリスタルが使えない……!!」
「っ……!?」
結晶無効化空間……まさかこいつが
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ