37話
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一週間に一度、ヴィクターの家に顔を見せろ」
「へ?」
意味のわからないジークを無視して夕は続ける。
「お前の生活は明らかに不健康そのものだ。おまけに所在がわからないから見てる方からして心配でしかたない。だから一週間に一度、生存確認のためにヴィクターの家に行くようにしろ。拒否権はない」
ヴィクターもそうしろというように頷いているのでジークに逃げ場ない。
「………もし破ったら?」
ジークは恐ろしいが聞いてみる。
「今のところ案が2つあるが………そうだな片方だけでも教えておこう。先ず、どんな手を使ってもお前を見つけ出してクラナガンにつれていく。そして」
その次に放たれた言葉にジークは真っ青になる。
「ショッピングエリアのど真ん中で自由参加の女子DSAAチャンピオンの握手会を行う」
人の通りの多いショッピングエリアの中心でそんなことをすれば、ものすごい数の人が集まることだろう。恥ずかしがりのジークによってそこは地獄以外の何ものでもない。握手会の主役は自分なので逃げることもできない。それに夕が逃がしはしないだろう。
「…鬼や鬼がおる」
ジークは顔を真っ青にして震えながらそう呟いた。
「…確かにジークにとってはそこは地獄ね」
ヴィクターも顔が引きつっていた。
「お前が約束を破らなければいいだけの話だ。わかったなジーク?」
「………了解や」
ジークに受け入れる以外の選択肢はなかった。
「何なら行くのはユウの家でもいいわよ」
そこにヴィクターが付け足す。
「おい」
何を言い出すだこのお嬢様は。
「別にかまわないでしょう?あなたは一人暮らしだし、気を使う相手もいないのだから」
「寧ろ一人暮らしの男子の家に年頃の女子が来るのは不味いんじゃないのか?何かあってからじゃ遅い」
「あなたなら大丈夫よ。女の子に無理矢理手を出すとは思えないし、ジークとあなたが恋愛関係でもならない限り、手は出さないでしょう?」
「…恋愛…うちとユウ君が…」
ジークは何を想像しているのか真っ赤にしていた。年頃の女子は本当にそういう話が好きだな。
「…好きにしろ」
夕はすこし考えた末に受け入れる。夕も自分が好きでもない相手に手を出すようなタイプではないつもりなので。問題ないと考えたのだった。
「どちらの家に行くかはそのときのジークに任せるわ。でもジークが来たか来てないか週末にユウと連絡をとるから、どちらの家にも行ってなかったら。ユウの言ったことを実行するから覚えて置きなさい」
「了解やヴィクター」
こうして所在不明者の定期的な生存確認が可能になったのであった。
おまけ
「なあ…ユウ君」
「何だ?」
「今後もうちと手合わせしてくれる?」
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