第二章
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られたいのですか?」
「まずは校内をですね」
事前に調べていることは隠して彼に答える岩清水だった。
「見て回りたいのですが」
「はい、それでしたら」
彼のその言葉を聞いて穏やかに微笑んでみせた古館だった。そうしてそのうえで彼と共に校内を回るのだった。
校内も実に美しかった。クラスの中も廊下もである。何処も奇麗に掃除されまた装飾も見事であった。中もまた宮殿の様であった。
グラウンドも広く見事である。そしてプールも。しかし時折そうした場所を見回る古館の顔が微妙に強張った。そしてそれは体育館に入った時にかなり強いものになった。
「ここがですね」
「体育館ですね」
「あっ、はい」
岩清水の言葉にぎょっとした顔になって返してきたのだった。
「その通りです」
「ここでも体育や部活が行われるのですね」
「そうです」
ぎょっとした顔は強張っていた。その顔でまた岩清水に応えたのである。
「その通りです」
「わかりました。それでは体育倉庫は」
実はそこで自殺が行われたのを知っている岩清水だった。しかしそれは隠してあえて何も知らない風を装って古館に対して言うのである。
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