SAO編
第二章 曇天の霹靂
6.狂気との邂逅
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ーが圏内であるログハウスからも、個別スペースのPTメンバー以外入れない寝室からも出ていないのだとしたラ……犯人は《PTの中の誰か》の可能性が高イ』
その可能性は俺も考えていたが、あのように明るい笑顔を振りまく人たちに疑いをかけるなんで出来ないと思った。
アルゴからのメッセージは続く。
『SAOのシステム上、他人のシステム窓は触れないが《見える》ことは既に確認されている事実ダ。例えば、AとBというプレイヤーが居たとしよウ。AがBに対して決闘を申し込み、AがBの指を動かしてシステム窓のYESに触れさせて受諾すル。ということも原理上可能ということにナル。熟睡しているプレイヤーの指を勝手に動かして受諾させ、後は静かに刺剣などを突き刺して《貫通継続ダメージ》でHPを削れば文字通り寝首を掻くことも出来ル。なんせSAOには――――《痛みが無い》からナ。衝撃の発生する攻撃でもなければ対象も起きなイ。……いやはや、まったく厄介なPK技を考えてくれたものダナ。周知するのは簡単だが、このPK技を知って疑心暗鬼に陥るプレイヤーも少なくはないだろウ。臨時PTで組んだ者と休んでて殺される……なんてこともありえるようになったということだからナ。――もしかしたら、今までに決闘が死因で死んだプレイヤーの何割かはこれが理由かもしれナイ』
このメッセージを見て、俺はあり得ないと思った。
何故ならこれは、《人間が人間を殺す》ということが前提の話だったからだ。
人殺しは犯罪。子供の頃からそう教えられてきている日本で、誰かに刃を向けることを躊躇わない人間が居るとでもいうのか?
――確かに、ビーターに危害を加えようとした者は居た。
しかしそれは被害妄想の拡大、もっと言えばまともな精神状態ではなかった故だと俺は考えている。でなかったら去り際にあのような辛そうな顔はしていなかったと思う。
それに、あまり知人が多いわけでもないが、俺たちの周りではPKなどの話が挙がったことは殆どない。
だからこのデスゲームとなったSAOでPKをする者が居るなんて考えなかった。
――否、そんな人間は居ないと……命の係っている状況で他者を貶めるような人間は居ないと信じたかった。
「…………なのに」
一層のエウリア村でのレイドで出会ったリックさん、クラウドさん、ジョーストさん。
今まで様々な情報をやり取りした協力関係にある情報屋、鼠のアルゴ。
三層主街区で知り合った縫製職人アシュレイさんとその相方バートさん。
他にもクエスト関係で色々なプレイヤーに出会ったが、誰もが気の良い人達だった。
「なのに……っ」
一万人ものプレイヤーたちが閉じ込められた理由は、一万人全員が協力してS
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