SAO編
第二章 曇天の霹靂
6.狂気との邂逅
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らくは、その顔を見るのが辛い。
そう言われた俺たちは――俺は、彼ら三人がログハウスから出ていくのをただ立ち尽くして見ているしか出来なかった。
「あの、あまり気を落とさないで下さい。ラピリアさんたちも、言いたくて言ったことじゃないと思うので……」
「……ああ。解っている。有難う」
それから十分程が経った。
俺たち四人は茫然と無言の時を過ごしていた。
思考を止めてぼーっとしたいと思ったのはいつ以来だろうか。
彼女たちの言葉に、少なからず俺の心も傷付いていたようだ。
俺を心配するレイアの言葉に感謝の述べた。
そして次に、未だ暗い表情の彼女たちに提案する。
「……すまないが、今日は狩りを中止にしてもいいだろうか?」
「そうですね、仕方ないと思います」
「色々ありましたからね……」
「そぉッスね。寝て曜日があっても問題ないと思うッスよ」
各々肯定の返事を言ってくる。
チマの言う通り、俺も今日は寝て過ごすのも悪くないかもしれない。
――だが……。
頭の隅に残った、ノリダーさんの死因についての疑問が消えない。
コンペッドさんの証言通り、昨晩ノリダーさんは部屋から出ていないのだとすれば、圏内で死人が出たということになる。
明日は我が身、とならないためにも彼の死因だけでも確かめておきたい。
そう考えた俺は、在る人物にメッセージを送った。
プレイヤーの死因は全て、第一層主街区《はじまりの街》の中央に建つ黒鉄宮にある、全プレイヤーの名前が刻まれた《生命の碑》に記載される。
ノリダーさんが死んだというのなら、彼の名前に横線が敷かれ、その下に死因が追記されているだろう。
それが解れば、在る程度の予測と対策を考えられるはずだ。
しかし、自分でそれを確認しにいくのは、今の俺の精神状態では辛いものがあった。
出来ることなら、今日はこのまま動きたくない。
などと自分らしくもないことを考えていると。
ポーン
メッセージの着信音が鳴った。
まだ送ってから五分と経っていないというのに相変わらず早い仕事だと思いながら、俺はメッセージウインドウを開いた。
「……………ッ!?」
「キリュウさん? どうかしましたか」
居間に置いてあるソファーから突然立ち上がった俺にルネリーが声をかけてくる。
だが、それに丁寧に応えている余裕はこの時の俺にはなかった。
「……済まない。やはりラピリアさんたちにもう一度謝ってくる」
「え……あ、じゃあ、あたしたちもっ」
「いや。俺ひとりで行かせてくれ。頼む」
『……』
恐らく初めてとなるだろう俺の頭を下げての頼み。
それ
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