SAO編
第二章 曇天の霹靂
6.狂気との邂逅
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
持ちが整理できていれば……。
そう考えていると、奥の通路から複数の足音が。
彼らが来たのだろうと顔を向ける。
「…………?」
――何だ?
居間に入ってきたのはラピリアさんを先頭としてコンペッドさん、ポーさん。PTリーダーのノリダーさんの姿がない。
そして、彼らに漂う明らかに昨日よりも重い雰囲気。
一晩時間を置けば少しは気持ちの整理が出来ると考えたが、逆効果だったか?
彼らの病的なまでに暗い表情と雰囲気に、俺もルネリーたちも挨拶できずに居ると、ぽつりとラピリアさんが呟いた。
「…………リーダーが、死んだ」
『な!?』
――なん、だって……?
「朝、わたしたちが起きたら姿がなくて……リストの名前は、グレーアウトしてた……っ」
俺にもその言葉の意味を正確に理解するのに数秒を要した。
だが、それでも意味が解らない。主街区と迷宮区最寄りの町以外に町村が存在しないこの二十六層では、各地に点在するログハウスは共通して犯罪禁止コードに護られた区画のはずだ。
このログハウス内ではプレイヤーはダメージを受けない。それがこの世界の法則だ。
「……ノリダーさんは昨日の夜、あれから外に出かけたのでしょうか」
つまり、このログハウス内で死んだのではなく、外に出て何らかの理由で死んだ、ということになる。
思いつくのは、仲間を見殺しにしてしまった自責の念に駆られての自殺。昨日の彼のあの悲しみようを見れば可能性もなくはないと思う。
俺はノリダーさんの死因について探るべく、出来るだけ直接的にならないように訊いた。
「そんなはずはない!」
しかし、昨日の朝までのおちゃらけた雰囲気からは想像もつかないほど激昂したコンペッドさんの否定が入る。
「オレはっ、オレたちはノリさんが眠るのをちゃんと確認してから寝た……そうだよなっ、ポー!?」
「……」
その言葉にこくりと無言でポーさんが頷く。
訊けば、同室のコンペッドさんたちもノリダーさんをゆっくり休ませようと、彼のアラーム設定を朝八時に設定したのを確認し、その後泣き疲れたように眠るのを見届けてから就寝についた。
極度の精神的疲労を感じていただろうノリダーさんはちょっとやそっとの刺激では目を覚まさないぐらいの深い眠りについていたという。
コンペッドさんたちは一応早めに起床アラームを設定していたのだが、彼らが起きた時には既に姿は無かった。
SAOでは肉体的な疲労が無い分、精神的な疲労が睡眠時間に――脳の休息に多大な影響を及ぼす。
何らかの外的要因がなければ、ノリダーさんが起きることは考えられない。
そしてその外的要因に近くで寝ていた自分たちが
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ