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少年と女神の物語
第八十八話
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を自分のためだけに使ってるカンピオーネもいて、過去にもこれから先にもいるだろうし。
 そう言ったやつらの影響で、俺たちがひとくくりに恐怖の対象になるというのも、まあ仕方のないことである。

「それに、もういろんな人から言われてるとは思うけど、武双君って出雲大社を壊したじゃない?」
「あー・・・それは、うん。いろんな人から言われる」

 それこそ、俺との関わりが薄い人はそれで俺が危険な対象だと判断するくらいには。
 いや・・・確かにあのせいで、五柱の神と同時に戦うことになったんだけど。あれが原因で少しばかり神が出てきやすくなったんだけど!

「あれだけの場。神を刺激しないことは誰もが考えていること。それを何の躊躇もなく・・・」
「いやだって、あの機会を逃したらスクナビコナは倒せなかっただろうし・・・」
「それでも、せめて場所を変えるとか」
「あの時は、スクナビコナをキレさせることでどうにか戦う方向に持ってったからなぁ・・・無理だろ」

 と、そこで俺は一つの作戦を思いついた。

「・・・あの神、どうにかしてキレさえられないかな?」
「・・・どういうこと?」
「いや、もしそれができれば少しは戦いやすくなると思うんだよ・・・あの手のやつは大抵、プライドが高いからな。そういうやつほど、プライドが崩れたら脆くなるもんだ」

 そして、いまだに名乗りすら上げていないところをみると・・・名乗りたくない、という可能性でも出てくる。
 中には名乗るのを忘れてた、とかいうふざけたパターンもあるんだけど・・・試してみるだけの価値はあると思う。

「それなら・・・ナーシャちゃんが霊視した情報、あれでどうにかならないかしら?」
「ん、あの神の正体について霊視できたのか?」
「ああ・・・まあ、一応な」

 それは頼もしいな。

「じゃあ、俺がその情報を」
「ナーシャちゃん、教授してあげて?」
「「は!?」」

 崎姉の言葉に、俺とナーシャの声が被った。

「え?私、何かおかしなこと言ったかしら?」
「いや、おかしなこと言っただろう!?なぜ、そんな・・・」
「ってか、俺がナーシャの頭の中を覗けばいいだけだしな」

 その後、なぜか崎姉は不満そうにしていたがそのまま知に富む偉大なる者(ルアド・ロエサ)でナーシャの頭の中を除き、今回の神についての情報を引き出した。

 さて・・・次で決着をつけるぞ!

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