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少年と女神の物語
第八十八話
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が悪いんだ」
「それに、うちでは姉弟(兄妹)間での恋愛禁止されてないものね」
「そこではないだろう!?というか、立夏君と言いマリー君といい氷柱君と言い、どうしてそうも兄妹間での恋愛をしている人がいるんだ!」

 氷柱―・・・思いっきりばれてるぞー・・・

「武双君が魅力的、っていうのもあるけど、私は、それだけじゃない気もするのよね〜。他にも何人かいるみたいだし」

 そう言いながら、崎姉はナーシャを見ている。
 あの笑顔は・・・何か聞きたいことがあるときの笑顔だな。こう・・・本心を言え、みたいなと気に使う笑顔だ。神代家に来たばっかりの頃、あの笑顔は一度向けられている。

「な・・・何だい、御崎君?」
「いや、ナーシャちゃんはどうなのかなー、って」
「どうって・・・そんな感情あるわけがないだろう!何度も言っているが、兄妹だぞ!?」
「最近、その言葉がいかに脆いものなのかを実感してる気がする・・・」

 それこそ、人それぞれな気がする。
 護堂の妹の静花ちゃんとか、血は繋がってるだろうけど護堂のこと好きだろうし。若干は、恋愛も入ってると思う。

「う〜ん・・・まあ、仕方ないわね。ナーシャちゃんがそう言うなら、今はそういうことにしておきましょうか」
「そういうことも何も、兄妹愛はあるが、それ以外の愛はない」
「兄妹になる前から出会ってるんだから、そういう感情があってもおかしくないじゃない?」
「いや、あの頃は魔王カンピオーネのお一人、という認識が強かったから・・・」
「それは・・・うん、ありそうね」
「おれ、そこまで危険視されるようなやつか・・・?」

 少しばかり心外だったので、そう反論してみたが・・・

「武双君・・・さすがにもう、それを否定してあげるのは難しいと思うの」
「・・・なぜ?」
「まず、武双君が最近まつろわぬ神と戦った時、どれも復興に費用がかかってるでしょう?」
「まあ、それはかかるだろうけど・・・まつろわぬ神をそのまま放置するよりはましじゃない?」
「確かに被害は小さくて済むだろうが、それでもあり得ないほどの被害が出るのは間違いないからな」

 ナーシャからはっきりと否定された。
 いや、確かにそうだけどさ・・・

「俺たちカンピオーネって、見方を変えれば神話の英雄とかアニメや漫画のヒーロー的ポジションに入れると思うんだよ。ほら、あいつらの攻撃も被害大きいじゃん」
「それでも、公爵や教主のような古参のイメージが先行するものなんだよ、そういうものは」
「なにより、本来人間にはありえない力を自由に使う、っていうところが恐怖の対象よね〜・・・」

 えー・・・それこそ、アニメや漫画の主人公みんなじゃね?
 まあ、そう言ったものと現実とでは違うだろうし、事実としてこの権能
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