第百四話 最後の戦いの前にその十六
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」
「神戸に入ってか」
「家は和歌山だ」
「ああ、あそこかい」
「親父は和歌山市でサラリーマンをしていて。お袋はスーパーにパートに出ている」
「成程ね」
「いい場所だ。しかし最近帰っていない」
飲みつつその静かな、決して荒くならない口調で述べた。
「ここ数年な」
「それもよくないな」
「実家には帰らないとか」
「せめて一年に一度はな」
それ位の割合で、というのだ。
「帰って親御さんに無事な顔を見せないと駄目だよ」
「結婚してか」
「そうそう、親孝行はしないとな」
「親孝行か。考えたこともないな」
「それもよくないよ、兄ちゃんそうしたことはちゃんとしないと」
「駄目か」
「ああ、ちゃんとしなよ」
加藤は親父のそうした世間の話も聞いた、彼もまた日常の中に生きていた。戦いの中に生きる彼だが日常も過ごしていた。
第百四話 完
2014・3・31
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