第十四章
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第十四章
「早く行くことです。ただし」
「ただし?」
「口は禍の元です」
あえてこう言うだけに止めてみせたのであった。これ以上の言葉は一切不要であることがわかっていて、そのうえでの言葉であった。
「それだけです」
「・・・・・・わかりました」
「では」
こうして彼への話を止めた。彼に鍵を渡すとその後ろについていって鍵を開けさせた。そうして彼の逃げ去るその姿を見送るのだった。
同志達は慌てふためいて逃げ去っていく古館のその後姿を見送りながら。岩清水に対して怪訝な顔を向けたうえで問うのだった。
「まさかと思いますけれど」
「これで終わりですか?」
「あいつ絶対に反省していませんよ」
「反省している、していないは別の問題です」
岩清水はにこやかに微笑みながら同志達に答えるのであった。そうしてそのうえでこう言ってみせたのであった。
「全てはです」
「いつも通りですね」
「そうされるのですね」
「そうです」
こう同志達に対して答えるのであった。
「その通りです」
「それじゃあまた」
「いつもの様に」
「ただし今度は徹底的にやります」
また言った岩清水だった。
「徹底的にです」
「っていいますと」
「どうされるんですか?」
「はい、それはですね」
「それは」
「どうされますか?」
問う同志達に対しての言葉は。
「人が死んだ事件です」
「ですね」
「とんでもない話です」
「目には目を」
今度岩清水が出した言葉はこれであった。
「歯には歯を、です」
「といいますと今回は」
「まさか」
「そうなっても私達に罪はありません」
これまた実に冷酷な響きに満ちた言葉であった。しかも言葉を発しながらそのうえでまたあの無邪気な子供の笑みを浮かべているのであった。
「むしろ制裁です」
「そうですね、人をいじめて自殺に追い込む様な奴等です」
「それこそそこまでしないと」
「私もネットで動きます」
岩清水のその『無邪気な』言葉は続けられる。
「そうして皆さんは」
「どうすればいいんですか?」
「今回は」
「より多くの同志達を呼んで下さい」
そうしてくれというのである。
「そのうえで同時攻撃を仕掛けますので」
「同時攻撃ですか」
「それですね」
「ネットでも御協力下さい」
彼の言葉は続く。
「御自身のサイトやブログで紹介されたり宣伝されたりして」
「はい、それはいつも通りですね」
「わかりました」
「本格的にはじめます」
彼はまた言った。
「今から」
こうしてであった。まず彼は同志達と別れたうえでかつてのいじめっ子達や暴力教師の住所を回った。そうしてその住所を撮影した写真と共にネットで公表したのだった。古館の家もである。だがそこで主犯格
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