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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百二十七話 国際協力都市
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回廊を全面開放する。そして回廊の両端にガイエスブルク要塞と同形の要塞を置く。これによってイゼルローン回廊を使用しての侵攻作戦がし辛い状況を作る。つまりイゼルローン回廊の中立化だ。ここまではフェザーンと変わる事は無い。
問題はイゼルローン要塞だ。このイゼルローン要塞を軍事要塞から国際協力都市へと変身させる。
「国際協力都市?」
ブラウンシュバイク公が訝しげに問い掛けてきた。その隣に居るシュタインホフは顔を顰めている。イゼルローン要塞を弄られるのが気に入らないのだろう。
「そうです。同盟と帝国は和平を結びますがその和平を持続させるためには両国の交流が必要です。物、金、人、その交流を図るためにイゼルローン要塞を軍事要塞から国際協力都市へ変えようと言っています」
「馬鹿な、イゼルローン要塞を何だと思っているのだ!」
シュタインホフが吐き捨てた。
「イゼルローン回廊の出入り口に要塞を置けば、帝国の安全保障においてそれほど問題は生じません。違いますか、シュタインホフ元帥」
「……」
「こちらは帝国に対してイゼルローン要塞を譲れと言っているわけではありません。要塞を帝国と同盟の交流のために役立てようと言っています。交流を密なるものに出来ればそれ自体が両国の安全保障に繋がるでしょう。国境を閉じるだけが国を守るという事では有りますまい」
帝国側の人間は皆、考え込んでいる。ブラウンシュバイク公が俺を見た。
「物、金、人か、それは分かるが」
「両国の中間にあるイゼルローン要塞を交流の基点とするのです。先ず両国の公的協力機関を設置します。警察、軍、経済、通商における各機関は絶対に必要です」
公が“ウーン”と唸った。シュタインホフとゲルラッハは今一つ不満そうな表情だ。いかんな、端折り過ぎたか。
「例えばですが両国の間で人的交流が進めば当然ですが両国間に跨った犯罪も起きるでしょう。良い例が地球教やサイオキシン麻薬です。そのような犯罪や薬物に対処するために合同の警察組織が必要ではありませんか? そういう協力機関をイゼルローン要塞、いや国際協力都市イゼルローンに作るべきだと思うのです」
「……なるほど」
ブラウンシュバイク公が頷いた。今度はシュタインホフ、ゲルラッハも頷いている。地球教が効いたかな。
「軍なら兵器管理、軍縮を話し合いましょう。戦争が無くなれば兵器が余る。特に大量破壊兵器は管理が必要です。それらが流出しテロにでも使用されればとんでもない事になる。さらにこれまでの戦争を互いに検証する事で戦史研究も進みます。そして捕虜の取り扱い、大量破壊兵器の取り扱いなど条約で定めなければならない事も有ります。そうではありませんか?」
シュタインホフがバツの悪そうな顔をしている。捕虜の待遇は帝国の泣き所だよな。
「他にも医療、科学
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