二十一話 確認
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道路、といった感じだ。
俺はゆっくりと寮の表へと回る。
今回のことを確認するにはシャドウを見つける必要がある。
そのため、シャドウがいないなんてことにはなって欲しくない。
しかし、内心ではシャドウがいて欲しくないと願う自分がいる。
「ははっ。やべぇわ、すっげぇ俺今ビビってる」
先輩には聞こえていないだろうが、自分で言って笑えてくる。
『勇気』を手に入れたと思ったのに、実際はなんの役にも立ちやしない。
表の道にちょっとだけ顔を出す。
???ズルリ、ズルリ
「っ!!」
思わず顔を引っ込める。
心臓が早鐘を打つのが聞こえる。
しばらく気持ちを落ち着けて、もう一度顔を出す。
今度はさっきよりも慎重に。
???ズルリ、ズルリ
シャドウをしっかりと目で捉える。
運がいいのか悪いのか、こちらへと向かってくるシャドウを見つけた。
(タルタロスだけでなく、街にも普通にいるんだな・・・)
そう思いながら、しっかりとシャドウを目で追う。
果物ナイフと一緒に買った、スーパーボールをポケットから出す。
シャドウに見えない位置から、そのスーパーボール3個をシャドウの進行方向へと投げる。
スーパーボールはちょうど、シャドウから見て、俺のいる通路を通り過ぎて5m程度に落ち、跳ねる。
ビビっていたせいか、予想よりも力がはいらず全くボールが飛ばなかったことに内心毒づきながらもスーパーボールが何度も跳ねるのを確認する。
すると、シャドウは俺のいる通路から6,7mのところから、スーパーボールが何度も跳ね、そのせいで周りの物に当たる音を聞きつけ一瞬動きを止めた。
(音にも反応するのか・・・)
シャドウが、スーパーボールの位置を目掛けて動くのを一瞬確認して、すぐに先輩のところへ戻る。
「先輩、中に」
「・・・何したの?」
「ちょっとした実験ですよ」
後ろからわずかに見ていたのか、先輩は俺の行動を疑問に思ったようだ。
「実験って・・・」
「とにかく中に」
先輩を寮の中へと促す。
先輩は俺の行動を疑問に思ったままだったが、とりあえずは俺の言葉に従ってくれた。
先輩と、寮の裏手のドアの隙間から、通路を覗き見る。
「何を見るの?」
「静かに・・・後で言います」
ジッと通路の先、道路を見る。
しばらくして、
???ズルリ、ズルリ
シャドウが移動する音が聞こえた。
その途端、先輩がビクリと震える。
ここで先輩に混乱されて、音を立てられても困るので、先輩を安心させるために先輩の手を握る。
???ズルリ、ズルリ
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