SAO編
第二章 曇天の霹靂
5.積み重ねた自信
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「おっはようございます!」
「お早うございます」
「おはようございますッス〜」
二十六層のデザインテーマは《山岳地帯》。
起伏の激しい岩肌の山脈や、緑に覆われた緩やかな山脈などが縦横に巡っている。
この階層には、主街区と迷宮区最寄りの町以外の町村は存在しない。
岩山の麓や山間に、安全地帯である普通よりも大きめのログハウスが至る所にあり、プレイヤーたちの休憩所となっていた。
「……ああ。お早う」
俺たちが居るのは南部エリアの一角、女面の怪鳥《ハルピュイア》の巣の近くにある岩山の麓に設けられたログハウスだ。
このログハウスには共用スペースである居間と、個別スペースである寝室が備わっている。今居る場所には風呂が付いているが、場所に依っては無いところもあるという。
だいたい2〜4パーティーが同時に泊まれる設計で、各スペースはそれに応じた広さと部屋数を備えている。
「……予定通り、今日は一日レベリングに費やす。各自準備は出来ているか?」
『はい(ッス)!』
1パーティ用に与えられた個別スペースの寝室といっても、一部屋に六人分のベッドがあるわけではない。一区画に二部屋、それぞれドアのところで一人から五人まで寝る人数が設定でき、ドアを開くと設定数分のベッドが設置されている。男女別にする最低限の配慮なのだろう。
情報屋《鼠のアルゴ》から適当なレベリングスポットである此処の情報を買った俺たちは近場のログハウスに一泊して、翌日の朝八時に出発準備を完了させた。
「……お? やあ、おはよー」
「おはよう!」
「おはよ〜」
「おっはー♪」
「……」
割り当てられた部屋から出て居間に入ると、聞き覚えのある複数の声が聞こえてきた。
「いや〜、朝から女の子を見ると『うおおお、頑張るぜ〜!!』って気持ちになるぜ」
「ホントだよな〜」
「うむうむ」
「おいこらちょっと。そこのふざけた男共、何か忘れてるんじゃありませんかねぇ?」
「あ。すまんすまん、忘れてた。――朝から《可愛い》女の子を見ると、だった」
「だったな〜」
「うむうむ」
「よしコラ、全員オモテ出ろや」
『あ、すんませんっしたあああああああ!!』
「……」
朝から賑やかな声がログハウスに響く。
彼らは俺たちと同じく、ハルピュイアの巣でレベリングをするために来た五人パーティーのプレイヤーたちだ。
パーティーのリーダーで、明るい性格の盾剣士の男性ノリダーさん。
ふくよかな体付きをした両手用戦槌使いの男性コンペッドさん。
頭を坊主にしたマイペースな重装盾戦斧使いの男性パラリラさん。
姐御肌な短剣使いの女性ラピリアさん。
フード付外套を着た長身痩躯の無口な両手用長槍使いの男性ポーさん。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ