―勇ましき戦士達―
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る。相手モンスターの戦闘破壊をトリガーに、相手のデッキトップを墓地に送る効果――そんなもの普通ならば、相手のデッキの墓地肥やしを手伝ってしまうだけの効果。だが、今この状況においては飛びきり有用な効果に違いなかった。
何故なら、竜騎士のデッキは《暗黒のミミック》を始めとする大量のドローで、もうデッキ枚数の限界が来ていた筈だ。それを《皆既日蝕の書》を発動したことにより、さらに四枚のドローを強いられてしまい、あと竜騎士のデッキはいかほどあるのだろうか。先のターンの《皆既日蝕の書》は《グリード》だけでなく、竜騎士のデッキ破壊も兼ねていたのだった。
「ええい……」
竜騎士もこちらの狙いが分かったのだろう、苦々しい表情をしながらデッキトップを墓地に送っていった。
そして、肝心の残りデッキ枚数は――一枚。竜騎士の次のターンのドローで、彼のデッキは尽きることとなる。
「……ターンエンドだ!」
最後の一撃を仕掛けてくるとあっては、こちらも相応の防御を固めていきたいところだったが、俺にはもう生憎と手札はなかった。
「私のターン! ドロー!」
このデュエルにおける最後のドローにより、竜騎士のデッキは尽きることとなる。だが、まだその時点で敗北することはなく、次にカードをドローすることがあれば、竜騎士の敗北は決定する。
もちろん最後の攻撃を仕掛けるべく、背後の二色のペンデュラムスケールが輝くと、空中に魔法陣が浮かび上がっていく。そう、ペンデュラム召喚の合図である。
「ペンデュラム召喚っ――来い、我がモンスターたちよ!」
いくばくか先程までの気取った余裕が無くなりながらも、竜騎士は力強くペンデュラム召喚を唱えると、四体のモンスターが舞い降りた。その内の三体のモンスターが同じモンスターで、機械族の通常モンスター《バット》であり、もう一体はやはり、エクストラデッキからの《時読みの魔術師》だった。
「さらに《トライアングルパワー》を発動し、バットたちの攻撃力をアップ!」
《魔貨物車両 ボコイチ》に対して発動していた、《サウザンドエナジー》の対象をレベル1にした代わりに、上昇値が2000となった魔法カード《トライアングルパワー》。その魔法効果によって、ペンデュラム召喚された《バット》たち三体の攻撃力は、2300ポイント――《連弾の魔術師》を大きく超えることとなった。
「この五連撃、貴様には打つ手はない筈だ! バットで連弾の魔術師に攻撃!」
俺に向かって言っているというよりは、自分に言い聞かせているようにも聞こえる台詞を吐きながら、竜騎士は俺に最後の攻撃を開始する。《バット》の一体目が《漆黒の闘竜》に肉迫して飛行すると、ミサイルが《連弾の魔術師》に向けて放たれた。《連弾の魔術師》はそのミサ
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