―勇ましき戦士達―
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っています。話す機会を逃してしまい……申し訳、ありません」
どうやら、闇魔界の軍勢と戦っていて、組織として行動出来ている者もいるらしい。……考えてみれば、当たり前のことではあるが。一刻も早く、あの避難所から出て行かなくてはならなかったからか、リリィはそのような組織があることを言うタイミングを逃してしまったようだが、それについては『気にしなくて良い』と言っておく。
「なら、この竜が向かってるのは……」
異世界から来た戦士族……俺たちの世界でも、フリード軍やゴブリン部隊のように、ストーリーが設定されているモンスター達も存在する。あのような戦士たちの集団なのだろうか……?
「はい……その皆さんのところ、です。そこに行けば……そのデッキ、も改良出来る、と思います」
リリィから半ば無理やり貸してもらった、俺が今装着しているデュエルディスクとデッキを指差しながら、彼女はそう言った。……戦士長に負けたのはデッキパワーのせい、などと言うつもりは毛頭ないが、確かにその申し出はありがたかった。リリィ本人も寄せ集めと言った通り、【グリードバーン】を主格にした魔法使い族にしては、かなり中途半端な構成と言わざるを得ないデッキだからだ。
リリィの腕に申し訳程度に装着されたままの、俺がアカデミアで使っていたデュエルディスクと、今まで考えていたこのリリィのデッキのことを思うと……やはり、俺の頭の中には【機械戦士】のことが思い浮かんだ。十代とのデュエルに敗れてユベルの攻撃を受けた折に、デュエルディスクからバラまかれてしまった。ずっと共にデュエルしてきた彼らがいない――それは俺のデュエルの実力だけでなく、精神的にも多大な影響を与えていた。
「きちんと……掴まっていて、下さい!」
そんなことを考えていると、突如としてリリィの叫び声が響く。その大きい声ではないが透き通った良い声に反応し、漆黒の闘竜にしっかり掴まると、リリィはそれを確認した後に竜を大きく迂回させ、上空から来た火炎弾を避けた。
《火竜の火炎弾》――という魔法カードが頭の中に浮かび、火炎弾が来た上空を見てみると、俺たちが乗っている《漆黒の闘竜》と同じようなドラゴンが飛翔してこちらを睥睨していた。続けて二発目の火炎弾が発射されるが、リリィの操る漆黒の闘竜は器用にその火炎弾を回避してみせる。
「捲けるか!?」
俺はリリィにそう言いながらも、これから俺たちがどう行動すれば良いのか悟っていた。上空にいるために良く見えないが、俺たちを襲っているのは《騎竜》――この《漆黒の闘竜》の上位種である。逃げることが出来ないならば、あの騎竜を打倒するしかないが、《火竜の火炎弾》のような魔法カードは俺もリリィも持ち合わせていない。ならば、ここから逃げることが出来る方法は一つ。
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