悪魔降臨
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から一つ、また一つと炎が部屋の中央まで真っ直ぐに灯り、最後に大きな火柱が吹き上がる。
それを見ると、アスナとミザールがそれぞれ俺達の右腕にしがみ付いて来た。が、それに構う余裕は無い。何故なら、火柱の後ろから、巨大な姿が出現しつつあったからだ。
体色は青く、筋肉モリモリマッチョマンボディ。そして、山羊の頭。見間違いなく、あれは悪魔だった。俺は内心ビビリながら視線を凝らし、出てきた文字を読む。《The Gieameyes》_________グリームアイズ。それが奴の名前だった。そこまで読んだ時、右手の大剣を翳して、こちらに向かって地響きを立てて猛烈なスピードで走り寄って来た。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
「うそだろぉぉぉぉ!!」
「全力、疾走っ!!」
俺達は、同時に悲鳴(一人悲鳴ではないが)を上げ、くるりと向き直ると、全力でその場からダッシュした。
ボスモンスターが部屋から出ないとは言え、恐怖の余り逃げ出すのは人間の本能であり、決して間違いではない。鍛えに鍛えた敏捷値パラメータに物を言わせ、俺達は長い回廊を疾風の如く駆け抜けた。…転移アイテムを使わなかったのは触れないで頂こう。
「死…死ぬ…マジ死ぬ…」
「ハァ…ハァ…こんなに走ったの…久し…ぶり…」
「やー、逃げた逃げた」
「だな…」
ここは安全エリア。俺達は一心不乱に駆け、このエリアに飛び込んだ。…正直、あれは恐ろしいとしか言い表せまい。
「こんなに一生懸命に走ったのすっごい久しぶりだよ。まぁ、私よりキリト君の方が凄かったけどね」
「…俺よりライト達の方が」
「それは…認めるが…流石に…死ぬ…」
「途中で…モンス屠ったの…誰だし…」
そんな俺達を見て、キリト達は笑っていたが、やがて真剣な顔になり、
「…あれは苦労しそうだね」
「そうだな。パッと見、武装は大型剣一つだけど特殊攻撃アリだろうな」
「物理攻撃力が高いだろうな…。それに特殊はこっちの動きを止める系だろう。今までの経験で言えば、人型は…」
「死角からの攻撃に弱い。前衛に堅い人集めてスイッチが得策」
俺の言葉をミザールが横取りする。泣くぞ俺。
「楯装備の奴が十人欲しいな…。まぁ当面は少しずつちょっかい出して傾向と対策って奴を練るしか無さそうだ」
あ、馬鹿。盾って言ったら…
「盾装備、ねぇ」
やっぱりねー。危惧してた事が起こりましたー。
「な、なんだよ」
「君達、何か隠してるでしょ」
「いきなり何を…」
「だっておかしいもの。普通、片手剣の最大のメリットって盾持てる事じゃない?でも、二人が盾持ってる所見たことない。私の場合は細剣のスピードが落ちるからだし、ミーちゃんはスタイル優先で持たないけど、君達はそのどちらでもないよね…あやしいなぁ
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