合宿編
十九話
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ェイトとしてはお節介を焼きたくなる。
「前からヴィヴィオと仲良くしてもらってるし、そのお礼ってことでどうかな?」
「う、う〜ん……」
アレクにとってお礼とは、借りを返して貰う事と同意。ヴィヴィオの通信攻撃を借りと考えるならば、受け取るのは吝かではない。
だが、真正古代ベルカ式は高いというイメージがあるので、簡単には頷けない。
「とりあえず話だけでもしてみたら?」
「まあ〜……話だけなら……」
「じゃあメールで伝えておくね。今ミッドは早朝だから、話は明日起きてからだね」
「へ〜い」
ちょっとメールしてくる、とフェイトが席を外すと、アレクはずり下がった。ティアナのようにお構いなしで進めない分、余計に勝手が悪かった。
「アレクはフェイトさんが苦手なの?」
「苦手っつーか、……はぼ初対面で高い物くれるってのが、なんか信じらんねえ感じ?」
キャロの質問にアレクは答えあぐねいた。
勧める動機が不明であり、況してや凄く高価――少なくともアレクはそう思っている――物なら、何か裏があるのでは、と思ってしまう。
「……でも、フェイトさんはとっても優しいよ。フェイトさんは困ってる人を放っておけないし、ね?」
「うん。アレクだってデバイス欲しかったんでしょ。だったら今はチャンスとでも思ってればいいんじゃない? これから段々解かってくると思うし」
「そう、かぁ……?」
キャロとエリオの言葉にアレクは唸る。弁解にも聞こえるが、どうにも本心のような気がした。
アレクもフェイトの善意だと薄々分かっているが、まだ信じきる事はできない。
だがそれとは別に、エリオが気になる事を言っていた。
「これ、から……?」
これからとは、今後も付き合いがあり、このような遣り取りがまた有るということである。
「だってアレク、デバイス持ったらDSAAに出るんでしょ?」
強さを確かめる為に合宿に参加したので、デバイスを求めたのはDSAAの為。そのようにキャロは判断した。
参加すればヴィヴィオ達と同チームでの出場と思うので、行動を共にするだろう。フェイトも時間が取れれば応援に行くし差し入れも用意すると言っているので、顔を合わせる機会はあるだろう。
だが、アレクはDSAAに出る気など今のところ無い。
「……出るの確定なわけ?」
「え? 出ないの? なんで?」
「……ルール覚えんのがメンドくさい」
アレクにとって強さを求める理由は束縛を破る為、そして叔父に打ち勝つ為である。なので他に力を示す気もなければ誇る気も無い、勝ちたい相手に勝てれば良いのだ。
それに、ルールを作り勝敗を他人に委ねる事が、縛られている様であまり好ましくない。闘いの勝者は最後まで立っていた者、原初のルーツでい
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