第一章
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飲み会に出ていたが彼はここでは地味な存在であった。しかし小笠原のこの言葉を聞き逃さなかったのである。
「修和高校か」
まずはここに引っ掛かるものを感じたのである。この学校が進学校であることは彼もよく知っていた。そしてその他のこともである。
その良家の子弟という子供達が通う学校であるのも知っていた。そして男子校であることもだ。だが彼が知っているのはそれだけではなかった。
数年前だった。この学校で生徒の自殺事件があったのである。その時は話題になったがやがて忘れ去られていった事件である。
この事件のことを思い出したのである。そしてその事件の中身も。
彼はいじめ事件を扱っているサイトを開設していた。そこではいじめに関する様々な細かいデータや事件が掲載されており彼はそこでいじめを糾弾していた。その自分が載せているその事件をもう一度調べたのである。
するとだった。その自殺があった年がわかった。そしてその学年もだった。自殺事件があったのは今から七年前で岩清水が高校一年の時だ。その自殺した生徒も高校一年生だったのだ。
「同じ学年だったのか」
そのことをあらためて思い出した彼だった。何しろ自分のサイトに掲載してあるそのデータがかなりの量なので忘れてしまっていたのだ。
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