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ウィザード外伝-仮面ライダーサマナー-〜指輪の召喚師〜
饗宴の始まり
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謂視覚障害者であり、生まれた時から目が見えず、周囲から腫れ物の様に扱われ続け、また、自身の引っ込み思案で臆病な性格もあり誰一人として友人と呼べる存在を作れず、そう呼べるのは幼少の頃から連れ添ってきた盲導犬・ロッキーだけであった。そんなためか鈴鳴は先程の大学生グループのように周囲で親しい友人・知人と他愛もない会話をしながら歩く人々を羨ましくは思ったが彼女は自分にはロッキーだけで充分らしくそれに関して不安も不満も無かった。
「行こう、ロッキー…。」
「わうん!」
鈴鳴がロッキーを連れてその場を離れようとした時だった。
「ギャアアアアアア!!」
「た…助け…ひぎゃあああああ!!?」
「ば…化け、物…ガハァッ…!!」
「…え…?」
鈴鳴の耳に聞こえてきたのは通行人達のただ事ではない悲鳴だった。盲目のため彼女には何が起きたか解らなかったが、路上には何人かの人間がその悲鳴を上げた後、首や四肢…全身のパーツが巨大な獣かなにかに食い千切られたかのように無くなってたり、顔が潰れる様に凹むなど有り得ない変形をして二度と動かなくなったり…こんな夥しい死体の山など仮に鈴鳴の目が見えてたら間違いなく失神しているところである。
『コォオオオ…ハァアアア…グルォアアアアアアアアアア!!』
「いやあああああ!や、やめ…あぎぃいいいい!?痛ギャアアアアアア!」
この惨劇を作り出した犯人は人間ではなかった。額に閉じた状態の口が付いてるワニに似た爬虫類の様な顔、背中にはサメの様な巨大な鰭、両肩に尾鰭を反らした魚のオブジェをあしらった金色の鱗で出来た鎧を身に纏い、両手には金色の鋭い鈎爪を嵌めている…といった異様な外見をした怪物、否、ファントムであった。餓えた野獣の如く荒々しい咆哮を上げながら逃げ遅れた人間を捕まえ、額の口を開いて生々しい巨大な舌をベロリと出して捕縛し、そのまま喰らい始め、新たな死体を生み出していく。
『貴様らァッ!!勝手に逃げるんじゃねぇッ!!そんなに俺の腹を空かせたいのか!ああ!?大人しく喰われろォオオオァアアアアア!!』
このファントムは余程空腹で苛立ってるせいか、全てのファントムの『人間を絶望させて新たなファントムを生む』という最大の目的そっちのけで人間を次々に喰い尽くす事しか頭に無かった様だ。
「あ…ああ…あ…。」
『お!?美味そうだなァッ!喰わせろ!!ガキィッ!!』
目に見えずとも解る異常事態に鈴鳴は知らず知らずの内に全身を震わせ、化石の如く固まってしまう、だがファントムがそれを見逃してくれるワケも無く、鈴鳴に迫る。
「わん!わん!!うううー!!」
『なんだァッ!?邪魔だ!うざってぇんだよ!!犬ッコロ!!』
「ぎゃん!?」
「ロッキー!!」
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