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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第388話】
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にばかり気をとられず、更に加速していく。


『悪いな一夏、俺も先に行かせてもらうぜ』

『ま、マジかよ……。 そんなスピード出して、タワーにぶつかったりでもしたら知らねぇからな』


 そんな一夏の言葉を他所に、俺もタワー外周へと入りコースアウトしないように加速、リングを潜り抜けて通過していき、前方のセシリアを視界に捉えた。


『やっと追い付いたな、悪いが俺は負けず嫌い何でな』

『うふふ。 そのままわたくしの魅力的なヒップに釘付けでもよろしいのに』

『かもな。 だが……行くぜ!』


 更に燃焼させて加速、セシリアと並ぶと外側から抜きに掛かる。


『うふふ、あまり加速しますと、コースアウトしますわよ?』


 そう指摘するセシリアの指の先は、頂上の折り返し地点で、今の速度だと一気にコースアウトは確実。

 とはいえ、このままだとセシリアに置いていかれるのも事実だし、一夏も追い上げて後ろについている。


『主君、このままではコースアウトは確実。 どうするのだ!?』


 雅の声が響く――。


『無茶は承知、男は度胸ってね!』


 一旦アウトコースから折り返しに入り、インコースへと攻めるセシリア。

 だが俺はインコースから抜きに出る――そして、折り返しで曲がる瞬間、盾を全部右側へと集中させ、盾内側に増設されたスラスターのみを瞬時加速――無理矢理急旋回させて一気にトップに躍り出た。

 キャノンボール仕様での瞬時加速によるスピードアップは基本効果は無いため、誰も使わないし、エネルギーの無駄になる。

 だがそこは発想の転換、瞬時加速を旋回用にと考えれば多少無茶な形でもインコースから攻める事は可能だろう。

 とはいえ、失敗すればコースアウトは確実だし、ブラックアウトする可能性もあるから早々多用は出来ないだろう。


『む、無茶しますわね……。 で、ですが……わたくしも負けるわけには……!』


 そう言ってセシリアが背後から徐々に迫ってくる――一夏も、折り返しを抜け、更に加速して追い上げてくるのが見えた。

 折り返しから後半のリングを潜り抜けつつ、可能な限りインコースをとってタワー外周を降りていくが、セシリアは俺の機体の背後につき、風避けにして抜きに出る機会を伺っている。

 一夏も、加速だけで徐々に迫って、いつ抜かれてもおかしくない状況だった。

 ここで俺は身をもって知る――いくらカスタマイズしたとはいえ、二人の機体の性能やパッケージによる優位性、増設したとはいえ、俺のスラスターはIS関連の一般企業が作った正式量産タイプの大量製造品。

 憤りを感じつつ、最後のリングを通過するその一瞬――。


『ヒルトさん、お先に
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