【ゼロの使い魔】編
017 少女自覚
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なサイトを見た私は、私の心臓がトクン…、と脈を打ったのを感じた。更にその脈はトクン…トクン…、と速度を急速に速めていく。ただ、その脈に不快感は無く、寧ろ心地好く感じて、サイトから離れたくなくなり──
(……ああ、そういう事ね)
この感情は嘗てその昔、ワルド子爵様に抱いた感情とは明らかに違う感情。……漸く気付いた──否、気付かないフリをしていた。……こうなれば話は早い。自分の中でその感情≠明確にするだけ。
(……私は──ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールはサイト・ヒラガの事が好きだ)
――ドクン
その瞬間、一際大きな鼓動とともに私の世界が一気に拡がった。
(……でも、私だけじゃ無理ね)
このまま放って置けば、トリスタニアで会ったミス・バレッタの言う通り、サイトは間違いなく次々に女という女を、それも無意識に籠絡していくだろう。そうなれば、私だけではサイトを囲いきるのは難しい。
(……それならば)
愛人、若しくは後妻になるのは──サイトの寵愛を私の一身に受けられないのは業腹ではあるが、不特定多数の女や、ツェルプストーがサイトの傍に居るよりは100倍はマシなので、サイトの事を一番最初に好き≠ニ言った彼女達≠ニ手を組もうと決めた。
SIDE END
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
SIDE ユーノ・ド・キリクリ
先日行われたフリッグの舞踏会から、ルイズのサイトに対する態度が変わった。……何て言うか、険が取れたように感じたし、何より日常の所作の一つ一つにルイズに以前までは備わっていなかった、女らしさ≠ェ感じられる様になった。
(……あれじゃあ、まるで──恋する乙女だ)
ボクが納得出来るかどうかは別として、サイトはモテる。メイド達はサイトの名前を端々に挙げて互いに牽制し合っている事を鑑みるに、しっかりとサイトを意識している事が窺える。
……思えば、前世──サイトが真人君だった頃からそうだった。真人君はツリ目な双眸、産まれついての見事な茶髪、ガキ大将を押さえ付けられるだけの腕力、割かし横柄な口調──外的要因だけで見れば、完璧に不良のそれだった。……ただ、横柄な口調に似合わず根は真っ直ぐで、ツリ目だったが容姿は良い方で──何より、人間関係に於いてのフォローが凄まじく巧かった。
(どうしようか……?)
――コンコンコン
ボクがこれからについて頭を悩ませいると、不意に部屋のノックが鳴らされた。
「ルイズ……?」
ノックの主は、今ボク頭を悩ませている要因であり、ボクの意中の相手の──サイトの主でもあるルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールだった。
SIDE END
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