【ゼロの使い魔】編
016 袖振り合うも多生の縁
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くに来たと思ったら、いきなり俺に抱き付いてきた。いきなりの事に俺も驚いてついユーノの事を円と呼んでしまうが、抱き付かれて数秒後ユーノの身体が小刻みに震えて居るのが手に取るように判った。
「……恐かった。……真人君が死んじゃった瞬間が未だに頭から離れないよ」
(あ、そうか。……円はあの時、俺が──好きな人が死んだ瞬間を見ているんだったか)
俺に置き替えて考えてみる。好き≠ニ思える女の子はまだ居ないが、好きな女の子が自分を助けて上から落ちてきた巨大な鉄骨に潰されて地面に赤色の花を咲かせる様子をイメージする。
「……うっぷ」
「? どうしたの、真人君。どっか調子でも悪いの?」
「いや、何でも無い。ただとてつも無くイヤな事をイメージしただけだから」
俺の身体が──と言うか脳がそれ以上考えるな≠ニ警告してきたのだろう、強烈とまではいかないが吐き気を催した。
「円──イヤ、もうユーノか」
「サ…イト?」
俺を心配しながらも未だ微かに震えているユーノをゆっくりと、壊れ物を扱うかの様に優しく抱き締めてユーノの耳を俺の左胸当て、ユーノに俺の心音が聞こえる様にして、名前こそ変わってしまったが升田 真人は生きている≠ニ云う事をアピールする。
「ユーノ、俺は大丈夫だから。名前こそ変わったけど生きてるから」
「本当…に?」
「ああ。本当だ」
「う…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
ユーノは本当に安心したのか、俺にがっしりと抱き付き、溜め込んでいたものを吐き出さんばかりかに慟哭する。……こうして、一 円と俺──升田 真人の世界すらを超えた二人は正式に再会する事が出来た。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「……落ち着いたか」
「……うん」
俺の腕の中には未だ目元に腫れを残しながら顔を赤くしているユーノ。……ワインを置きに来たキーラに泣き顔を見られたのが余程恥ずかしかったのだろう。
椅子に座っていては体勢が辛かったのでユーノと一緒に、椅子よりはまだマシなベッドに腰掛けた。それが拙かった。……それっぽい★j咽を上げながら泣くユーノ。それを抱き締める俺。……性犯罪者かなんかに見えたのだろう。キーラのその時の俺を見る目は凄惨の一言だった。……ユーノが俺の事を庇ってくれなかったら、絶対──かなり面倒臭い事になっていただろう。
閑話休題。
「まさか、貴重な特典の一枠を使ってまで俺が居る世界に転生してくるとはな」
「ははは…。……まぁ、5個も貰えたからね──って、どうしたの? 真人君」
「5個…これが運の差なのかよミネルヴァさんよぉ」
ユーノのとの圧倒的な運の──特典の数の差に俺は思わずorz状態になってしま
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