【ゼロの使い魔】編
016 袖振り合うも多生の縁
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
キーラ、今日VIPルームは空いてますか?」
「空いてますよ」
「なら、案内して下さい」
(VIPルーム? そんなんあったか?)
「サイト、ここのVIPルームは所謂一見さんお断りと云う感じでして──その…会瀬や密会、人に聞かせにくい会話をする場合に使われる事が多いです。後、これは少ない例ですが、1人で静かに食事がしたい場合にも使われます」
聞き覚えの無いワードに疑問を持っていると、ユーノはそんな俺を慮ってか、態々注釈を入れてくれる。……顔をこれでもかと紅潮させながら。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
VIPルームは【白銀の月夜】亭の二階の隠し通路の向こうに存在するらしく、10畳ほどの部屋に在るのは、やや大きめのテーブルとやけに豪奢な造りのベッド、それにアダルティな雰囲気を醸し出すライトだけだった。
(成る程……)
【白銀の月夜】亭には、一階と二階を見比べても面積的に違和感をが在って、どこかに空いているスペースがあるのは何と無く気が付いていたので、この部屋を見て得心した。
「ユーノ様には言うまでも有りませんでしょうが、雰囲気が合わないようでしたらライトの色はライトに備え付けられたつまみ≠ノてライトの色を変更出来ます」
「ありがとうございます。キーラ、貴女ももう一階に行って良いですよ?」
「はい。食事が必要でしたら今この場でご注文頂くか、誠に失礼ながら1解までご足労いただく必要が有ります」
「そういえばそういうシステムでしたね。……ではタルブ産のワインをいただきましょうか。勿論グラスは2つお願いしますね」
「かしこまりました。少々お待ちを」
キーラはユーノの注文を聞くとそそくさと退室して行った。
「「………」」
沈黙が部屋を充たす。次に沈黙を破ったのはユーノだった。
「とりあえず椅子に座りましょうか」
「そうだな。……そういえばユーノとはルイズより2年も早く出会っているのに、ユーノとはちゃんと話した事は無かったよな」
「そうですね。あれから2年経ちますね。学院で話そうとしてもルイズやキュルケが何かと都合良く邪魔してきますからね」
「恐らくだがルイズのあれは所有欲≠ナ、キュルケはただの好奇心≠セよ。……そういう意味では学院で一番最初に俺に好意を伝えてくれたのは君だよ、ユーノ──いや、円=v
「……やっぱりボクの事に気付いてたんだね。才人──ううん、真人君」
ユーノの──円の話し方が度数にすると170度ほど変わって、その見た目に見合わないボーイッシュな口調になる。……この話し方はよく覚えている。これは一 円の口調だ。
「うおっ!? 円!?」
ユーノは徐に立ち上がってフラフラと俺の近
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ