【ゼロの使い魔】編
015 3つの名前(かお)を持つ女
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くて焦っている内に、“剃”でミス・ロングビルの懐に入りこみ、“無刀取り”の要領でミス・ロングビルの杖を奪う。
「くっ! 私の杖! 返しな!」
「だが断る。いきなり襲おうとしてきたヤツの凶器を折角奪ったのに、それを返せと言われて返す奴がどこに居るか」
「ぐっ!」
ミス・ロングビルは自分の身体を護る様に掻き抱きながら、じりじりと後ずさるが、“絶霧(ディメンション・ロスト)”で生み出した霧≠前世で見た魔砲少女のアニメに出てきた枷みたいにしてミス・ロングビルを捕縛してあるので、思う様に後ずされ無くて更に焦りを募らせていくのが感じとれる。
「あたしに何をしようってんだい!?」
「大丈夫だ。そっち≠フ気は無い。この状況では信じられないかもしれないが、貴女には何もしないさ。……ただ、何でこんな盗賊紛いの事をしているのかが気になっただけだ。……もし俺が納得のいく答えが貰えたら、貴女をその霧≠ンたいなのから解放するのも吝かではない」
「ふんっ! ……遊ぶ金欲しさだよ。……これで判っただろう? 約束通りこの霧から解放してくれ」
「嘘だ」
仙術をある程度修めた所為か、何と無くだが人の気の乱れから人の言葉の真偽を感じ取れる様になった。……尤も、ミス・ロングビルは俺の目をじっと見て俺から目を離さないし、口をかたく閉じているし、下唇を噛んでいるようにも見える。……これは女性が嘘を吐く時の態度に該当する。
「何で嘘を吐くのかは知らないが、まぁ詳しい話は追々と。朝食の時間まで、まだまだ時間は有るな。……さあ、オハナシしようか」
「……勝手にしな」
(……嗚呼、今日も“腑罪証明”の世話になりそうだ──タイムマシン的な意味で)
「あ、その前に」
ギーシュとの約束である朝のトレーニングをすっぽかす訳にはいかないので別魅≠ギーシュの元に送っておく。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そろそろ学院の生徒達も起きる頃であろう時間帯。俺はミス・ロングビルの部屋でミス・ロングビルと──マチルダ・オブ・サウスゴータと机を挟んで、お茶を飲みながら対面していた。
「……これまでの話を要約すると、貴女の正体は最近巷で話題の≪土くれのフーケ≫さんで、アルビオンで今は亡き彼のモード大公の忘れ形見のハーフエルフの子を匿いながら養っていて、貴女の本名はマチルダ・オブ・サウスゴータだと……」
「確かにそうだけど、あんた驚かないのかい? 後フーケの名前にさん&tけは止めな。それに何でそんな説明口調なのさ」
「俺は敬虔なブリミル教の信者って訳では無いから、ハーフエルフ云々はどうでも良いさ。それと、説明口調なのは何と無くだ」
俺がそう言い放
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