【ゼロの使い魔】編
013 虚無の曜日、王都にて その1
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せる様にはっきりと聞こえた。……何やら踏ん切りが着いたのだろう。自分で呑む$骭セをして、液体をグラスに注ぐ特有の音と、喉を嚥下させるさせる音から推測すると……
(本当に呑み始めた様ね)
改めてサイト──サイト・ヒラガについて考える。トリスタニアの薬屋で働いているメイジらしく、メイジとしての腕はトライアングルクラスであるシュブルーズ先生のお墨付きだ。
(……あれ? サイトはトリスタニアに居たのよね?)
それを自分に置き換えて考えてみる。……いきなり知らない場所に召喚されて、それまたいきなり使い魔になれ≠ニ言われる自分を想像する。
……ジワリと身体が汗ばみ、形容のし難いイヤな気持ちになった。……サイトはいきなりトリスタニアからトリステイン魔法学院に──サイトからしたら知らない場所に呼ばれた。……これはつまり、ひょっとしたら──
(誘拐……?)
イヤな想像が私の頭の中を駆け巡る。……サイトに面と向かっては言えないけど、私はサイトに凄く感謝している。サイトのお陰でこの学院に居られるし、≪ゼロのルイズ≫なんて呼ばれる事もこの一週間で殆ど無くなったし、魔法も使える様になった。
……魔法についてサイトに訊いたら、サイトがおまじない≠ニやらで使える様にしてくれたらしい。……サイトにお礼を言っても「俺に出来る事をしただけだ」、とか「俺は俺のためにやった」と言うばかりだ。
(私、サイトに貰ってばっかりだ……)
何かサイトにお返し出来る物が無いか、頭を回す。
(……無いわね。私からサイトに返せる物なんてそれこそ──)
そこで顔が熱くなっている事に気が付き、沸き上がった思考をカットし、顔に集まった熱をクールダウンさせる。
(明日はサイトと目一杯たのしみましょう! ……サイトの奢りだけど)
私は暗鬱とした考えを振り払う様にして意識を眠りの淵へと沈めていった。
SIDE END
SIDE 平賀 才人
(……寝たか)
流石にあんなにゴソゴソされれば、いくら酔っている状態でもルイズが未だ起きている事くらいは判る。
(酒もそろそろ止めて、翌朝のトレーニングは軽く流すだけにしよう)
俺は仙術で肝臓の働きを強化してアルコールの分解を早めて、愛用している布団に入る。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
眠りから目が覚めて翌日。虚無の曜日。地球で云うところの日曜日──つまりは休日である。
ルイズとの約束を二日酔いでポシャらせる訳にはいかなかったので、昨日の段階で肝臓の働きを強化してアルコールの分解を早めたのが功を奏したのか、二日酔い独特の頭痛もなくすんなりと起床する事が出来た。
「さ、早く行くわよ!
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