【ゼロの使い魔】編
010 ヴェストリ広場での決闘 その1
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──
――パシャッ
「あら、御免なさい。手が盛大に滑ってしまいましたわ」
ワインを乱雑に手に取り──モンモランシーはギーシュに三行半を叩き付けんばかりにワインを勢いよくぶっかけた。
「それではご機嫌よう。……ミスタ・グラモン=v
モンモランシーはスカートの両端を摘まみ、ギーシュに向けて恭しく礼をしながら事実上の別れを叩き付けると、優雅に食堂から去って行った。
(さて、俺も配膳の続きを──)
「この≪薔薇のギーシュ≫にこんな屈辱を味あわせて、一体何処に行こうと云うんだい? ……君は確かルイズの使い魔だったね。……あれ? ははは! これは傑作だね! 主が主ならその使い魔も使い魔ときたモンだからね! はははははは!!」
俺は自らの仕事である昼食の配膳に戻ろうとした。……が、そうは問屋が卸さない様でギーシュは屈辱感にまみれた表情で、何処に向けていいのか判らなくなったその怒りの矛先をあろう事か俺に向けてきた。……それも、ルイズを引き合いに出してまでだ。
「……一体、ミスタ・グラモンは何が言いたいので?」
「君の所為でモンモランシーとケティの名誉に瑕が付いてしまった」
「いや、彼女達を傷付けたのは彼女達に対して軽薄な態度をとっていたのは、ミスタ・グラモン──いや、敢えて敬称は省かせて貰おう。……彼女達が傷付いたのはギーシュ・ド・グラモン、貴方の所為ではないのか?」
――「ルイズの使い魔の言うことにも一理あるかもしれないぜ? はっはっはっはっはっは! こりゃ一杯食わされたなギーシュ!」
――「はっはっはっはっはっは! 違いない!! ギーシュ、図星を指されたからってルイズの使い魔に当たるなよな!」
「〜〜〜っ!? 決闘だ! こうなったら決闘でどちらの言い分が正しいか決めようじゃないか!」
俺とギーシュの言い合いを聞いていた聴衆が俺の意見に賛同する様に口を挟んできた。……そのガヤを聞いたギーシュは顔をゆでダコの様に真っ赤にしながら、引き際が見えなくなったのか、ついぞ決闘≠ネどと云う抜かずの宝刀を引っ張り出してきた。
(……おいおい、こいつは≪薔薇のギーシュ≫じゃなくて≪馬鹿なギーシュ≫になりたいのか?)
俺が知っている決闘≠フイメージは、命懸け≠ナ某かを賭けて争い合う事。少なくとも、俺のイメージではこんな痴情の縺れで引き合いに出す事では無い。
(こんなこと本来≠ネらスルー安定何だが──)
ここは昼食時の食堂。人はこれでもかと集まっているし、視線を集め過ぎた。……勿論の事ながら、悪い意味で。
ここでギーシュの決闘を蹴れば、俺が臆病者の謗りを受けかねない。
(それはイヤだなぁ……)
「いいだ
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