第八十七話
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みながらブリューナクを回収し、再び二槍を構える。
「・・・一旦、私たちは離れるわ。たぶん、そっちの方がいいと思うから」
「そうしてくれ。たぶん、ここからはこれまで以上に危険になる」
その瞬間、二人はナーシャの飛翔の術で飛び立った。
さて、それじゃあ・・・
「やるか、神。お前が力で一本取り、俺は策略で一本取った。次は、混合戦と行こうぜ。ルールは・・・命を取った方の一本だ」
「うむ、よかろう!ありとあらゆる物で争わねば、勿体ないからのう!」
次の瞬間、雷を纏った雷鎚と雷を纏った槍がぶつかり合い、お互いがお互いを弾き飛ばす。
俺は弾き飛ばされながら、言霊を唱える。
「我が姿は変幻自在。我が存在は千変万化!常に我が意思のみに従いて、自由自在に変幻する!」
芝右衛門狸の権能で俺自身を変幻させ、一度鳥の姿に変わる。小さくなることで、相手の攻撃からのがれやすくしてみた。
そのまま本気で飛んで神の上空まで行き、そこから雷を落として再び離れる。
見たところ、あの雷鎚がある限りは少なくとも雷は効かないようなので、元の姿に戻ってからまた違う言霊を唱える。
「我がためにここに来たれ、羽持つ馬よ。我がために我が雷を運べ。我がために天を駆けよ。その為にここに現れよ!」
なら、まず必要になるのは機動力。
だから、天地両方を駆ける素早い馬に乗るとしよう。
「我が元に来たれ、ペガサス!」
かけてきたペガサスに素早く乗り、神が雷鎚から放ってきた雷を肩当ての力で防ぐ。
そのまま背を向けて一気に距離をとり、本気で揺らしても俺に被害がないくらいまできたところで振り返り・・・そこで、視界いっぱいに広がる雷鎚を見た。
◇◆◇◆◇
「さて、これで我の・・・」
神は勝利を確信して前方を見るが、そこには傷つき倒れるペガサスの姿しかなかった。
そして、そのペガサスも光の粒となって消えていく。
「・・・いや、まだ分からぬか」
彼のまつろわぬ神としての本能は、いまだに警戒を解いていない。
そうである以上、神殺しは死んでいないのだろう。
そう考えながら神は雷鎚を拾い、それを少し振りまわして感触を確かめる。
「何にせよ、神殺しとの戦いまでに時間を取ることができるのは行幸であるな。未だ、我は我が望む位に上り詰めておらぬのだ」
神がそう言った瞬間に足下の石化が解け、海へと戻る。
だが、それでも神の体は海水の上に出ていた。下半身はほとんど水につかっているが、それは大した問題ではないのだろう。
「さて、今石化が解けたということは、つまりこの近辺に神、神殺しのいずれかがいるということ。そ奴らに戦いを挑むのも、それはそれで一興であろう。が・・
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