第十一話 ハーレーの女その十
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「可能性としては高いけれど」
「だよな、けれどな」
「探す条件としてはね」
「いいよな」
確実ではないが可能性としては高く頭の中に入れておいていい、そう判断しての言葉である。
「それも」
「そうよね、それじゃあ」
「ああ、頭の中に入れてな」
「そのうえで探せばいいわね」
その残る四人の力の持ち主をというのだ。そして裕香はここでだった、ふと気付いてこう言ったのだった。
「あと今のところ皆女の子だけれど」
「そうなのよね、これが」
「私達全員が」
菊と桜が裕香のその言葉に応えて言う。
「女の子」
「そうですね」
「八条学園高等部に通っていて戦えててしかもバイクに乗る」
「そのうえで女の子ですか」
「だとしたらね」
「かなり限られますね」
「まあ。どれも確実じゃないけれど」
これまで挙げた条件は結局そうなる、憶測でしかない。だがそれでも裕香は深く考える顔でこう言ったのだった。
「参考にはなるわね」
「うん、そうした全ての条件を揃えている娘はね」
「力の持ち主である可能性が高いですね」
「僕もそう思うよ」
智和は裕香のその言葉に答えた。
「そうした条件から考えてね」
「今は探すといいんですね」
「うん、そう思うよ」
こう裕香に話す。
「とりあえずはね」
「そうですね、そしてこれだけの条件を全部備えている娘は」
「確かに八条学園は沢山の生徒がいるね」
「はい」
高等部だけでもだ、留学生も多く世界屈指のマンモス校である。
「相当に」
「けれどそれだけの条件を全て揃えている娘は」
「限られていますね」
「そんなにいないね」
「はい、確かに」
「まずバイクがね」
これがというのだ。
「限られるよ」
「この条件が」
「そう、だからね」
「まずはそこから見て」
そしてだった。
「謎を一つずつ、確実に解いていこうね」
「そうですね、じゃあ早速」
菊が微笑んで智和の言葉に応えた、そしてだった。
四人の少女達は智和、裕香と共にまずは残り四人の力の持ち主を探すことにした。それで薊はクラスでも裕香と話した。
今は二人で向かい合って座っている、そこで話すのだった。
「うちの学校の生徒でバイクに乗ってて戦える女の子か」
「どう考えても限られてるわよね」
「だよな、特にな」
「特に?」
「バイクだよな」
薊が注目するのはそれだった。
「バイク乗ってる娘なんてそういないからさ」
「確かにね。バイクはね」
「男が乗ること多いしさ」
このことは全体的な趣味の傾向であろうか。そして薊は女子がバイクに乗らない理由をもう一つ話した。
「それに見えるからさ、短いと」
「あっ、乗ってると」
「ああ、あたし下にスパッツはいてるけれどさ」
「見えても平気な
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