コードギアスR2
0649話
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扇を適切に処理しよう。それで構わないか?」
処理。それがどういう事を意味しているのか俺に分からない。降格処分か、文字通りの意味で処分されるのか。……いや、何だかんだで黒の騎士団内での人望はある扇だ。命をどうこうという風にはならないというか、出来ないだろうが。
「分かった、それでいいだろう。だが、どうなったかの結果だけは教えて貰えるな?」
「それは約束しよう」
会談……というより交渉が終了した、その時。
「済まないが、ゼロ。少しいいか」
そう声を挟んだのは、ここまでずっと黙って話の成り行きを見守っていたコーネリアだった。そのコーネリアに対して藤堂が一瞬視線を向けたが、特に何を言うでもなく様子を伺う。
「もちろん構わない。私達黒の騎士団とコーネリア殿下は色々と因縁もあったが、これからは共に手を取り合っていけると……」
「その前にだ。私と黒の騎士団が手を取り合う前に、1つだけどうしても聞いておきたい事がある」
声は小さいが、そこに込められている意志はとてつもなく強い。そんな声に、言葉を続けようとしたルルーシュも黙り込んで先を促す。
「許されざる大罪を負った者は、果たしてその罪が許されるのだろうか? それとも罪の存在そのものすら忘れ去るのだろうか。黒の騎士団のゼロ、個人としてのゼロ、そして……家族としてのゼロとして、その辺をどう思うのか聞かせて欲しい」
コーネリアの言葉に、俺とゼロ以外の者が困惑の表情を浮かべる。だが、その言葉の意味を理解しているゼロは数秒黙った後、口を開く。
「大罪を犯した者は、一生その罪を背負い続けるだろう。その贖罪を求めて足掻き続ける。大罪の理由となった存在の叶えるべき願いを叶える為に。少なくても私はそう思っている」
「……そうか」
大罪の理由となった存在の叶えるべき願い。……即ち、日本人が日本人らしく暮らせる社会を作る為に生涯を尽くす。言外にそう告げるゼロの言葉に、静かに頷くコーネリアだった。
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