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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第386話】
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くれるかな? お、お姉さん、君を思って敢えて厳しくしていたんだし……ね?」
なんという手のひら返し、一夏まで来なくなると思うとここまで手のひらを返せるとは、正直感心してしまう。
とはいえ、起きた事実は伝えないといけないからな。
「残念ですけど、報告だけは確りと念をおされてますので」
「そ、そこを何とか…………。 ほ、ほら、オルコットさんだって君を待ってるんだし……ね?」
「……わたくしは、ヒルトさんに会おうと思えば連絡方法もありますので……」
ピシャリとそうセシリアが告げると、へなへなてその場で座り込み――。
「そ、そんなぁ……。 あ、有坂くん! 御慈悲を! どうか我がテニス部を助けると思って! せめて報告は少し酷使された程度でお願いします!」
必死でそう告げるテニス部部長が哀れに感じ、俺は――。
「……わかりましたよ。 少しだけ目を瞑ります」
「あ、ありがとー有坂くん!」
それだけを言って、一夏の周囲に集まった部員の元へと戻る部長さんの後ろ姿を眺め――。
「……ヒルトさんは優しすぎますわ」
「……いや、何か彼処まで手のひら返されてああいった応対になると何だか哀れに思えてな。 ……まあ良いじゃん。 てかさ、話変わるけど何で俺のマッサージが良いんだ?」
そう聞くと、タオルで顔を拭いていたセシリアが――。
「生徒会長が自慢してましたわ。 初めてのマッサージなのに、なかなか御上手だと。 ……不公平ですわ、ヒルトさんのファーストキスはラウラさんに奪われ、初マッサージは生徒会長に奪われ、もうヒルトさんに残ってるのは……」
言葉が途中で止まるセシリアに疑問を感じ、顔を覗き込むと白い顔が真っ赤に染まっていた。
「……ヒルトさんッ! ですから、今日は念入りにマッサージしてくださいな! ちゃんとお風呂に入ってから来ますので!」
怒濤の剣幕に、若干たじろぎつつも俺は――。
「わ、わかった。 ……でも九時半までだからな? それ以上長居すると、教師に問題にされるから」
「うふふ、大丈夫ですわ♪ では、八時半に伺いますので、ヒルトさんも八時までには汗を流してゆっくりしていてくださいな♪」
にこりと微笑むと、セシリアは再度スポーツドリンクを一口飲み、喉を潤した。
……マッサージか、下手くそが筋肉触るのは不味いんだが……後、柔肌に触れるのも色々不味い気がする。
とりあえず、部活への派遣はこれで終わり、俺は楯無さんに派遣報告を済ませた。
一応ある程度の不当な扱いは目を瞑って報告をしなかったのだが、それでも暫くはテニス部への派遣はなくなったというのは、また別の話……。
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