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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第386話】
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笑むセシリアに、タオルを手渡そうとするが、そういや一夏が――と、思ったらワンセット残っていたので、使用されてないかを確認すると、俺はそれを持ってセシリアに。


「先ずは水分補給だな。 薄めてあるけど、流れた汗の分は補給出来るさ、これがな」


 キャップを外して手渡すと、セシリアは受け取ってお礼の言葉を俺に言った。


「ありがとうございます、ヒルトさん♪ ……すみません、ヒルトさん。 貴方ばかりに雑用を押し付けて――もぅっ、織斑さんもいらっしゃるのに、ヒルトさんばかり酷使して……!」


 目尻を釣り上げ、軽く怒った表情を見せるセシリア。


「……まあ女尊男卑だからな、でも正直楯無さんには俺が酷使される様な不当な事があれば報告をって言われてるんだよな……。 案の定、酷使されたし」

「……すみませんヒルトさん。 テニス部を代表して、わたくしが謝りますわ……」


 そう言って頭を下げるセシリアを見て、ギョッとし、目を見開くと俺は――。


「せ、セシリアが謝る事じゃないだろ? ……ほら、頭を上げてくれよ」

「は、はぃ……。 ……ですが、ヒルトさんが此方に派遣されなくなると思うと……とはいえ、部活以外でも会えますわね」

「そ、そうだな。 派遣に関しては俺だけじゃなく、一夏も派遣されなくなるが。 ……まあとりあえず、汗を拭かないと――」


 そう言ってタオルを差し出そうとしたその時――。


「コラーッ! オルコットさんを口説く暇があるなら球拾いしてこーいッ!」


 そんなテニス部部長の声が響き渡り、俺は立ち上がろうとするのだが――。


「待ってくださいな。 部長、ヒルトさんばかり酷使するのではなく、織斑さんも同様の扱いをしていただきませんと……」

「ちゃんと仕事の区分けはしてるじゃん。 織斑くんはこの後マッサージするから雑用としてスポーツドリンクとタオルの配布。 有坂はその他雑用、公平でしょ?」


 ――どこがだよ、そもそもスポーツドリンクだって俺が用意してタオルだって使いやすいように用意した上に、学園走り回ってジュース買ってきたのに――一夏はそのスポーツドリンクとタオルを手渡すだけじゃないか。

 ――と言えばブーイングの嵐なのでぐっと堪える。


「……更識生徒会長が言っていましたわよ? ヒルトさんを不当に扱えば、その部活への派遣は無くなる――と」

「……それって有坂だけの話じゃ――」

「甘いですわ。 そんな甘い考えですと、派遣されなくなった時に、わたくし達全員が後悔する事になりますわよ?」


 セシリアのその言葉に、部長の表情が一変して――。


「あ、有坂……くん? き、今日の事は更識生徒会長に報告……しないで
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