志乃「兄貴、先行って」
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の前を通り過ぎて、自分のクラスの中に入る。俺って三組だったんだ。
黒板に書かれた通りの席に座り、俺はようやく身体を突っ伏しる事が出来た。早く終わってほしい。
そこで、担任の教師が周囲を見渡してから話し出した。
「一年三組の皆さん、保護者の皆様、本日はご入学おめでとうございます」
そこで俺はギョッとする。保護者?いやいや、大丈夫だ。あのコス作りババァは志乃のところにいる筈だ。
そう思ったのだが、頭のモヤモヤが取れず、俺は恐る恐る後ろにいる保護者の群を見た。
そしてそこには、
あの、忌わしき母親がニコニコしながら教師の話を聞いていた。
って、マジかよ!志乃はどうした!去年入学式をやった俺なんかより妹の方が大事だろうが!
とはいえ、それを大声で指摘する事は出来ず、俺は仕方なく机に身体を埋める。もう、何も見たくないわ。
だが、その時、俺は後ろから背中を突かれた。そういや俺、後ろの席の奴の事一回も見てないな。つか、見えなかった気がするのは気のせいか?
そんな事を思いながら、重たい身体を後ろに回す。担任の長ったらしい話などどうでもいい。
つか、悪戯とかだったら無視してやる。ましてや男だったら尚更だ。
そうして、俺は突いてきた奴の顔を見る。そして、絶望する。
なにせ、俺の後ろの席に座っているのは、仏頂面を浮かべた妹だったんだから。
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