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相棒は妹
志乃「……」
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、こいつ何て言った?でもって、何でこんなに家庭的?これは夢か?

 自分の手で頬をつねる。痛い。これは、現実……!マジで?

 志乃はリンゴをむき終え、包丁で食べれるサイズに切って、フォークに刺して俺の口に移動させる。

 「はい兄貴、食べて」

 お前今までそんな可愛い顔しなかったじゃん。

 そう言ってからかおうとしたが、驚愕に言葉が出ない。

 そうしている間に一口サイズのリンゴは俺の口に迫り――


 何故か、息苦しくなった。

 *****

 「……。……ぁ。……ふごっ!ふごぉぉう!」

 奇妙な鳴き声と共に、俺の意識は覚醒する。って、え?

 俺はソファに寝かされていた。そして、真上には妹の顔。無表情な表情は何を考えているのか読めず、ただただ俺を見下ろしていた。……くそう。

 文句を言おうと口を開けるも、何故か声が出ない。あれ?どうした俺の声帯よ。

 そこで、俺は口が封じられている事に気付く。これって、まさか、ガムテープ?これ現実?さっきまでのは何?夢なの?夢だったの?

 そこで、俺は改めて酸素が思うように吸えていない息苦しさを感じる。花粉症&風邪により鼻が炎症を起こしていて、空気が通らない。そして口はガムテープによって塞がれている。

 つまり、俺は窒息しそうであって……。

 「ぐっほぁああ!がはぁ、がっはぁ」

 急いでガムテープを取る。やっべぇ、マジで今のはヤバい。下手したら窒息死してるぞ。

 勢いよく頭を上げたいところだが、俺の真上にはズーンと妹の顔が置かれている。コイツ……無表情で俺を見下ろしやがって。リンゴをむいていたお前は嘘だったのかよ。まぁ、あれが現実だったら逆に怖いかも。

 「……良い夢は見れた?」

 「……」

 妹がボソッとそんな事を言ってくる。おい、内容教えてやんぞ?お前死にたくなるから。

 いや、その前に俺が避難の目を浴びる事になるから止めておこう。その辺はもう分かっている事だ。学習したんです!

 「お前、もしかしたら俺本当に死ぬところだったんだぞ。謝れ」

 「その前に兄貴が謝れ」

 「すいませんでしたマジで志乃さん舐めてました」

 俺はソファに寝たままで妹に対して敬意を示す。いや、これ敬意とか伝わってるか?むしろバカにしてるようにしか見えないんじゃ……。

 「分かってるなら良い」

 え!?良いの?仰向けの状態で謝って許されんの?だったら最初の時点で許せや!マジで殺る気かお前!

 心中で必死にツッコみながら、妹の恐ろしさを改めて痛感した俺であった……。もう、兄貴って呼ばれてもバカにしてるようにしか聞こえないや。
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