胃に優しくないランチタイム 中編
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(シラナイナソンナモノ)
(俺の目ぇ見て言えこのクソアマ)
(良いじゃないか、その要注意人物と仲良くなれたのだから。それに何より…)
(あん…?)
(せいす、おなかがへったんだよ)
(DA☆MA☆RE!!)
よくは聴こえないが、何やらボソボソと小声で怒鳴るという荒業を深緑色の髪の少年はやっているようである。それにしても…茶髪眼鏡の少女の顔に少なからず見覚えがあるのだが、何故だろう…?
「御冷とメニューどうぞ。」
「あ、すいません。…今度からは自重してくれよ?」
「だが断る」
「……。」
相方が引き攣った表情を浮かべているのを尻目に、鼻歌交じりにメニュー表を眺める茶髪の少女。唐突だが、さっきから気になっていることを尋ねてみることにした。
「あの…どこかで会いました……?」
「ん、私か…?」
「えぇ、何か初めて会った気がしなくて…」
「…あぁ、多分この顔のことだな?」
その言葉と同時に、茶髪の少女は眼鏡を外して自分に顔を向けてきた。そしてその顔を見た途端に胸のモヤモヤが吹き飛んだ…会ったことがあるのでは無く、そっくりだったのだ。
自分が恋心抱く男の姉、世界最強と名高い『織斑千冬』に…
「…千冬さん?」
「よく似てると言われる。ま、顔だけだがな…」
「あと、ダメな部分も…」
「ふんッ!!」
―――グリッ!!
「おうっ!? 足に鈍い痛みぎゃ!?」
仲良いな、この二人。それにしても、本当にそっくりである。何度か家族ぐるみの付き合いで会ったことがあるので尚更そのことを意識してしまう。これで黒髪で眼鏡が無かったら本人そのものである。まぁ、世界には自分にソックリな人間が3人は居ると言うし、他人の空似という奴だろう…
「…と、注文してもいいか?」
「え…あ、はい!!すいません…!!」
「この『業火野菜炒め定食』をひとつ頼む。セヴァスは?」
「俺は『フライ盛り合わせ定食』を…」
「承知しました。おじいちゃん、野菜炒めとフライ定食一つずつ〜!!」
厨房の方から野太い声で『お〜う!!』という声が聴こえたのを確認し、その場を立ち去ろうとする。ところが、それとほぼ同時に深緑色の少年が声を掛けてきた。
「すいません、トイレありますか?」
「トイレですか?そこの奥の方に…」
「どうも」
言うや否や、先程セヴァスと呼ばれた少年は立ち上がって即座にトイレの方へと向かっていった。どう
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